森のこと(1)/山づくり(鋸谷さんとの共著)9刷


カナダでのトウヒ(針葉樹)森林での話。

トウヒの森は40年から120年のサイクルで害虫(ハマキガの一種)の大発生がおきる。すると森に光の穴が空き、その害虫を食べる鳥や昆虫が増えてその害虫は激減し、ふたたび森の再生が始まる。

ところが木材原料を枯らしたくない人間はDDT農薬でその害虫を先に殺そうとした。すると森の密度が高くなり、害虫を食べる鳥や昆虫が中に入れなくなって、さらなる害虫の大発生を招いた。

そこで今度は、有機リン系のフェニトロチオンを何万エーカーという北方樹林に散布した(1970年にカナダ政府の指導による)。するとこの薬剤はブルーベリー産地のマルハナバチを殺してしまうことになった。受粉バチを失ったブルーベリーの生産高は何年も激減した。(『ハチはなぜ大量死したのか』ローワン・ジェイコブセン/文藝春秋2009))

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日本のマツ枯れ防除の薬剤散布でもずいぶん被害を受けた虫たちがいたのだろうな。

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