アトリエ敷地にツツドリが「ポポポポポ」と鳴き出した。それにウグイスの「ホーホケキョ」、アオバトの「ホーワーオー」、キツツキの「タラララララ・・・」というドラミングの音が加わって、外で折りたたみ椅子に座って本を読んでいると、その様々なミックス音が耳を楽しませてくれる。鳥の声だけではなく、庭先にツツジが咲いたものだから、それにハチやアブがやってきて「ブーン」という羽音も混じっている。
カテゴリー: 動植物
その鳥の名は
16日の日記に書いておいた奇妙な鳴き声の鳥が解った。「アオバト」である。鳴き声は「ホーヮーオ、ホーィーオ」という感じで、鳥とは思えない独特のトーンなのだ。遠くでその声を聴くたびに「気になる声だよなー」「あれって鳥なのかな?」などと相方と話ていたのだ。
しかし、僕はかつてこの鳥のカットを仕事で描いたことがあったのを思い出した。美しい色彩のハトで、海水を飲みに来るという変わった習性があるということだった。神流川流域はちょうど関東地方での生息の北限であるらしい。上野村では鉱泉の源泉に群れをなして飲みにくるという報告があるが、巣の発見例も少なく謎の多い鳥であるという。藤岡側にも塩泉があるので、それがこの辺にも棲んでいる理由かもしれない。
キタテハの産卵
すばらしい天気。早春の花が咲き乱れているアトリエ敷地の午前中は、春を告げるチョウたちがせわしく飛び交い、畑に出るのにデジカメを忘れようものなら、必ず取りに引き返すことになる。まずはコツバメが足下から飛び出す。春先だけに発生する地味で小さなシジミチョウだが、羽裏はツイード生地をみるような深い味わいがある。
館林のウィリアム・モリス
アトリエ敷地で奇妙な声で鳴いている鳥を調べたくて、前橋の県立図書館で鳴き声CD付きの図鑑を借りた。それとは別に、藤岡図書館で借りた『魚が泣いている』柳井繁美著(煥乎堂1996)を読んでいる。煥乎堂は前橋にある大きな本屋さんだが出版事業もやっていて、群馬の自然についての優れた本を出している。この本には、かつてダムのなかった頃の利根川が、いかに自然度の高い川で人々の暮らしに密着した川であったかが書かれている。
また利根川下流部、館林市や板倉町あたりには、タナゴと二枚貝が無数に存在する水域が数限りないほどあった、という。天然ウナギも大量に捕獲されていた。現在はタナゴはまったく見られず、ウナギもめったに取れない。
スギタニ、赤城のヤドリギ
今年もスギタニルリシジミが飛び始める。トチノキを植樹とする早春のチョウだ。深い青色の表羽とややくすんだ灰色の裏羽が印象的で、飛び方はたどたどしく、一目見てそれとわかる。以前のブログにも書いたが、このチョウの植樹を解明したのは藤岡在住の布施さんという方で、その著書『群馬の蝶』には鬼石でこのチョウを追った記述があり、御荷鉾山産の標本が載っている。ひょっとしてその場所というのはここH集落だったのではないかと思えてくる。