スギタニ、赤城のヤドリギ


今年もスギタニルリシジミが飛び始める。トチノキを植樹とする早春のチョウだ。深い青色の表羽とややくすんだ灰色の裏羽が印象的で、飛び方はたどたどしく、一目見てそれとわかる。以前のブログにも書いたが、このチョウの植樹を解明したのは藤岡在住の布施さんという方で、その著書『群馬の蝶』には鬼石でこのチョウを追った記述があり、御荷鉾山産の標本が載っている。ひょっとしてその場所というのはここH集落だったのではないかと思えてくる。

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イタルさんがコンニャク畑の消毒を始めたので出かけることにする。コンニャク栽培農家では連作障害を避けるために土壌消毒をする。クロールピクリンという揮発性で毒性の強い農薬を土壌に注入し、ビニールで畑を覆うのである。その後、成長後も何度か消毒液をかける。コンニャクは、その内情を知っている関係者によれば、とても健康食と呼べるものではないという。しかし、山村で現金を得るために連作せざるをえないイタルさんを、新参者の僕らが非難することなどできようか。

赤城に行くことにする。道々にサクラが美しいが、途中の畑では牛糞が積まれていて、窓を開けているとひどいニオイが流れてくる。せっかくいい季節なのに、Copenをオープンにする機会を失ってしまうのだった。先日は赤城山麓に産廃捨て場がたくさんあるという話を聞いてげんなりしたばかりだった。赤城大沼にまだ氷が張っていた。赤城神社は木造を模倣した鉄筋造だけれども、なんだか精妙な気が漲る場所だった。オフシーズンで人が少ないのがよかった。

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赤城山を縦断して気になることがあった。1,000m付近のミズナラにヤドリギが多数みられたことである。こんなにヤドリギがついている場所は見たことがない。南面で顕著だったが、北面でも見られた。樹勢が動いているという感じを受けた。

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