畑手伝いにて


Y先生との約束で今日は先生の畑のジャガイモ植えを手伝う。相方と二人分の日当をいただいたのでしっかり働かねばならない。鶏糞をまいたり、雑草をことごとく排除するというY先生の畑作法は、ごく一般にみられるもので、農薬をまかないだけいいほうかもしれないが、僕らの目指す自然農のやり方とは異なる。それでも、この体験は貴重なものである。

斜面の畑では耕しながら土を上げていかねばならない。これが重労働なのである。それはいいとして、鶏糞をまくときがクサイ。辟易するたまらない臭いだ。そこに植えるときにまた臭いを嗅ぐことになる。自然の空気の中で土をいじり爽快な汗をかくはずが、この臭いの一点ですべてが楽しくなくなる。農業とはそんなものだ、と人は言う。しかし、本当にそうか?

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芋がらを食べながら


昼間はイラストマップの仕事。夜は近所のIさん宅に遊びに行く。神流日記(初期HPの日記)にもたびたび登場するIさんはこのH集落出身で現在は高崎に暮らし、実家はお母様が一人で住んでおられる。Iさんは週末を利用して高崎からいろいろと実家の手伝いに来られている。今日は昨年同様「新酒どぶろくを仕入れたから飲みましょう」とのお誘い。どぶろくもさることながら。お母様の話や手料理も楽しみなのであった。

芋がらの煮たものや、手作りの干し芋が美味しかった。僕らは連載中の『現代農業』を1冊差し上げ(Y先生やイタルさんの似顔絵がウケた)、ギター持参で歌を3曲披露した。皆が知っている歌を持ち歌にしておくのはこんなとき大切だな。Iさんのお母様は万場の生まれで、H集落に嫁いでからはひたすら山村での暮らしを貫いてきた方だ。畑仕事、家事、お蚕と、その経験と知識は広く膨大なものであろう。

以前教わった灰汁でコンニャクがうまく作れたことを報告すると「そう、灰を使ってやってみたかい」と喜んでくれ、「話し聞きたいならいつでも来ればいいよ」とおっしゃってくださった。


田中正造の遺したもの


かすみがうら町、真壁と再取材し、栃木の佐野市郷土博物館に寄った。足尾鉱毒事件に立ち向かった田中正造に関する常設展示があるというので期待して入ったが、結局「彼が何をやったか」という案内しかなく、その動機となった事実の説明がほとんどない。なんだか田中正造の「魂」の部分が骨抜きにされているようで正直がっかり。だから、日本は変われないんだろうな。足尾のような自然と人との関係を引き裂く残虐なことが、いまは深く潜航しながら、巧妙に行なわれているだけだ。

帰りぎわ、群馬に戻って太田市でEという店を見つけて入ってみた。水戸でみた巨大なショッピングセンターとほぼ同じ形式で、駐車場まで含めると気の遠くなるような広大な面積だ。しかも1階の食料品売り場はなんと24時間営業。恐ろしいのはこのグループが「木を植えています/私たちはEです」などと環境系の装いを前面にアピールしていることだ。

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タコ焼きの春


昨日Y氏に囲炉裏で餅を焼いて食べてもらった。その餅だが、31日に搗いたのでもうすぐ1ヶ月になろうとしているのに、その餅にはことごとくカビが生えていないのだ。前々から感じていたのだが、この家は物が腐りにくい。ご飯も常温のまま4~5日くらいなら平気なのだった。囲炉裏を始めて保存度がさらに倍加したような気がする。煙には防腐効果があるのでそれもうなづけるのだが、他にも理由があって、それは無垢な自然素材の家なので湿度が一定に保たれていることではないかと思う。山の水を使っていることも関係しているのだろうか?

たとえば無垢の木の柱はそれひとつで、一升びん一本以上の水分を出し入れすると言われている。アトリエは一部のガラス戸をのぞいて全てが木と土と紙でできている。一升ビンどころか風呂桶1個分の水分だって吸ってしまうし吐き出してしまう。雨降りでも、室内でがんがん煮炊きをしても、結露はないし、じめじめ感が全くない。また、夏は冷房や扇風機がいらないほど快適だ。

ところで囲炉裏を使い始めて、今シーズンまだマッキー君には火を入れていない。というわけで薪のストックが減らない、という嬉しい驚きを体験している。

明後日のライブをきっかけに、名刺を新調した。左肩書きは「未来樹2001」を脱皮して「神流アトリエ・SHIZUKU」になった。illustratorのソフトで作成レイアウト。A4のマーメード紙でプリンターで刷り、トンボのラインをカッターで正確に切る。A4で9枚の名刺が作れる。「神流アトリエ・SHIZUKU」の活動紹介のチラシも作る。

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囲炉裏でパンを焼く


囲炉裏にあたりながら年賀状のデザインなどをやっていると、イタルさんがやってきて「外の水道が壊れちまったんだ。塩ビの接着剤は持ってるかい?」という。凍結で破裂したようだった。アトリエにはいざというときのために塩ビ管はいろいろな径を用意してあり、曲がりや径違いのジョイントなど、様々なヤクモノも揃えてある。それらを組み合わせてなんとか修理できた。「材料代だけでも払わしてくれんかの」とイタルさんは言うが「いつもお世話になっているし、困ったときはお互い様ですから」と断ると、お酒を1本持ってきてくれた。

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