ニシンのマリネ


朝から草刈り。とはいえ、僕らの朝は遅い(笑)。すでに炎天下。水源への道と石組みの水路周辺を刈る。畑で大きなアオダイショウを見る。ちょいの間の草刈りで滝のような汗をかく。僕らはいまだにエンジン式の草刈り機を持っていないので大鎌で手刈りしているのだった。

昨日、ネットで注文しておいた「ピチット」が到着したので、さっそくニシンのマリネを仕込んでみた。しかしネットは商品の購入だけでなく、料理のレシピを引くのにもすごく便利だ。ニシンのマリネはデンマークの伝統的な料理で、日本のしめサバのようなものなんだって。まずはマリネ液をつくる。冷蔵庫からトマト2個を取り出し、湯剥きして小鍋でつぶしながら煮てピュレにする、それに畑から採ってきたばかりのニンジンをすりおろして入れる。鍋が冷めたところでタマネギのスライス、ワインヴィネガー、黒胡椒とクローブをつぶしたものを投入。これを保存容器に入れて一晩寝かせる。

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ピチット


『現代農業』連載の本描き、今回のテーマは「石垣」。はやく終わらせて町の用事を片付けようと思っていたのだが、手こずる。まったく毎回毎回たいへんなのだこの連載は。でもこの連載をまとめた単行本はきっと社会にインパクトを与えるものになるだろう。そのとき、鋸谷式間伐はさらにメジャーになるはず。

Y嬢旅先の北海道からクール宅急便が届く。運んできてくれた宅急便の運転手はお姉さん(ちょっと太め)でハアハアゼイゼイ「ふだん歩かないからね」。中に生ニシンも入っていたので、ネットで「ピチット」を注文した。浸透圧を利用し、食材から水分と臭みを抜くという薄いシート状の製品だ。これでニシンのマリネを作りたいが、到着が間に合うかな? ともあれ山暮らしで動物性タンパク質を最良に保存・生かすためのツールにちがいない。
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チョウの来る家


朝、ミニトマトとインゲン豆、ジャガイモを収穫した。昼食兼朝食を食べ終える頃、Y先生来訪。キュウリを2本貰った。カボチャをイノシシに食べられてしまったそうだ。ウチのカボチャは不成績でまだ結実していないから心配ない。「でも、ウチの野菜って、後半に伸びるよね」「うん、カボチャもあきらめないほうがいいかも」などと相方と話し合い、さっそく雑草にまぎれたカボチャを助けに行く。

戻ると家の中からなんとオオムラサキの♂が飛び出してきて驚いた。ビールの空き缶の匂いにやってきたのか? しばらくしてまた飛来。こんどは家のテラスに止まり、口吻をのばして何かを吸っているようだった。オオムラサキの成虫は樹液が好きなのだが、この古い家の木材になにか似た物質が出ているのだろうか? これからしばらく観察できそうである。

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昨日、ヒグラシ蝉の鳴き声を今年初めて聴いた。しかしY先生によれば、セミは極端に少なくなったという。セミばかりではなく近年ホタルもまったく見れなくなってしまった。ヤマセミやフクロウも多かったそうだが最近は見ないという。推察するに、原因は除草剤、農薬散布、中性洗剤の使用、自然水路が減ったこと、それに、森林荒廃で沢の流量が安定しなくなったこと。多肥料投入による富栄養化もあるのかもしれない。それから敷地の荒廃。放置された空き地は、この最もいい季節にクズやカナムグラ、カラスウリなどのツル植物に覆われてしまう。草刈りなどの手入れをしないと、植物相は逆に種類が減り、貧弱になってしまうのだ。

今の季節、屋敷まわりに様々な昆虫をみる。オオムラサキを観察している間にも、ルリジガバチ(いわゆる青蜂/セイボウ)の一種がクモを加えて歩き回っていた。青い金属光沢の身体を持つ美しい蜂である。屋敷のまわりはとくにハチ類とクモ類が豊富で、お互いにせめぎあっているように見える。山村の屋敷周りは昆虫の宝庫である。

ヘビやネズミが嫌いなら石垣をコンクリートで塞いでしまい、虫が嫌いなら家まわりに除草剤をまき、網戸と殺虫剤で害虫を遮断すればよい。そんなもので住まいを防御すれば、たしかにいっとき快適に感じるかもしれない。

しかし僕らは、オオムラサキが家に止まりに来る環境を愛する。ダイコンを塩とトウガラシで漬けておいたものを取り出してみた。やや発酵臭が感じられ酸味が出ていたが塩気が足りない気がして、中の水分を切り、味噌と塩をまぶして漬けなおした。石の重しと蓋をして、北側の涼しいところに置いておくことにする。実はこんな家の中は様々な微生物や有益菌のすみかでもあり、漬け物に最適な環境なのである。

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スギ箸で/Y先生の快気祝


道普請を終えて「天気もこんなだし(小雨)、オオウチさんの都合さえよけりゃ今日どうだい?」とイタルさん。Y先生の快気祝いを明日に予定していたんだけど、そんなわけで変更になりあわててアトリエの掃除、そして仕込みに入る。まずは茹でジャガ、チンゲンサイのクルミ和え、ダイコンとニンジンのなます、ニラ入り卵焼き。他に炒め物とそうめんも用意。

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水と野菜


花粉症の次は・・・西日本で水不足。人工的に雨を降らせる実験を、などど昼のニュースでやっている。一方で集中豪雨の土砂災害。昨年大被害をおこした三重県の宮川村では、避難勧告を早めに出すにはどうしたらいいか、なんて反省をテレビで流していた。なんとも悲しい対処療法だな。花粉症も水不足も、土砂崩れも、根本治療には「森」に目を向けなきゃいけないんだけど。

連載原稿の仕事でネットで調べもの。でも無肥料の農業サイトとかを読んだりして夜更かし。農の世界もおんなじだ。根本治療しなけりゃいつまでたっても堂々巡りだよね。以前に資料を送ってもらったNatural Harmony 河名秀郎さんの

身体にいい伝統食

時代が求める本物の食をあなたに(リンク切れ)

この『身体にいい伝統食』ページの中で、野菜を使って天然酵母をおこし、料理に応用する話がおもしろかった。

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