石見銀山と大森集落(5.〜山口〜九州宗像)


世界遺産になった石見銀山。いったい何がそこを世界遺産にさせたのか? それが知りたかった。

まず銀の産出が全世界の1/3量というスケール。そして近世でほぼ閉山したので、近代技術の波を受けておらず、昔の佇まいがそのまま残っていること。さらに環境に配慮して、山林を持続させながら山を守り続けたこと。この最後の「環境配慮」が、けっこう効いているらしい。

車でその山と銀山の坑道の入り口などを眺め、駐車場(無料)に止めて大森の町並みを歩く。そして世界遺産センターで銀山関係の資料を見て回る。

面白かったのは銀の精錬方法に「灰」が使われていたことだ。最初、鉛との合金をつくり、それを溶かして灰に転がすと、鉛は灰に吸着して銀の純度が高まる。しかし

「鉛には発がん性もあると考えられているので、坑道内の出水・高温多湿や鉱滓・煤塵などの劣悪な環境も相まって、当時の鉱夫は短命であったといわれる。大森地内に各宗派の寺院が多数あることや、古文書の研究からその平均寿命はおよそ30歳程度であり、家族構成はその多くが独身もしくは夫婦のみ、と伝えられている」(Wiki)

というような記述は、世界遺産センターの展示では、しっかりはしょられている(笑/足尾銅山と同じだ)。

大森の町はタイムスリップしたような佇まい。石州瓦のレンガ色、黄色い土壁、錆びた杉板。材が細く華奢な住宅が多いのは、大火で焼けた後、急ごしらえで造られたからという。

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沼田の囲炉裏


温泉に浸かりたくなり、沼田の「しゃくなげ温泉」へ。大間々から赤城の東北面を回り込むこのルートは、四万十式作業道の取材で何回となく通ったので懐かしい。

公共施設ながら掛け流しというこの温泉は貴重だ。草津のような強烈さはないけれど、透明ながらほんのり硫黄の香りがしてなかなかいい。温泉大国群馬、さすがなのである。

入浴後、道路を挟んで反対側にある「沼田市指定重要文化財・旧鈴木家住宅」を見に行った。茅葺きの再建にはすごい手間がかかったことであろう。

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蔵に積まれた薪。囲炉裏が燃えているのかな? と期待も高まる。

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自転車で出発、奇跡の杉に出会う


前日、折りたたみ自転車を2台購入。梅田は山中なのだが、坂は緩やかなので桐生の中心街まで自転車での往復が可能なのだ。

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自転車で町ブラ。これが実に楽しく、新しい発見が多々ある。桐生は戦災を逃れた群馬でも希有な町だ。しかも織都として栄え、重厚な、あるいは繊細な、古民家がたくさん残っている。細い路地を自転車で入っていき、その建築を間近に見る。これが、木造建築ファンにはこたえられない。

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唐沢山とおぐら屋


お隣の佐野市は栃木県になるが、忍木菟屋の奧にある梅田湖(桐生ダム)から山越えで行くとけっこう近い。佐野といえばラーメンと厄よけ大師しか知らなかったけど「唐沢山」という名所もあるらしい。

佐野市の東北部にあり、標高約240mながら眺望は「関八州随一」ともいわれている。今日は曇り空で遠望が効かなかったけれど、展望台の天狗山から見る赤城もおつなもの。正月はかなりの参拝客でにぎわうというが、この天狗山からの初日の出はちょっと見てみたいかも。

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函館~下風呂(6日目、五稜郭)


ホテルはおなじみの駅前旅館「T横in」。会員&日曜割引でツインが5000円以下という安さ。朝食が出るのだがT横inの朝食は地方色があって面白い。朝市に繰り出す。この函館朝市にはぶったまげた。観光客で保っている朝市なのだが、その規模がデカイ。それだけ、集客力があるということなのだろう。

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