鶴ヶ島、古河へ


埼玉県の鶴ヶ島市で活動するNPO団体からイラストマップ製作の依頼を受け、皆の活動日に調査に行った。場所は鶴ヶ島市が「市民の森」として一般市民に開放している平地林で、スギ・ヒノキ、雑木林が混在している。全体にけっこうな広さがあるのだけれど、平地だけに様々な施設が入り込んでいる。変電所、ゴミ処理場、建設資材置き場、養鶏場。中を流れる小川はトンボやホタルの生息に最適と思われるが、上流の工場が塩分を流していて水質はよくないという。

人工林の運命としてご多分に漏れず、放置、線香林化、風害を経て強度間伐、その後再び放置。ここでNPOに手渡されて整備が始まったところだが、ではいったいこの森をどのように整備・運用していくのか、というスタート段階にある。残されたスギ・ヒノキは太く育ったものもあるが、割れ、曲がり、虫食いなどが入っており経済林としての再起は難しそうだ。ツルがはびこっていてある意味壮観である。

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雑草の進化


朝から畑。この季節は苗や種の水やりとか除草に忙しい。除草といえば、春先は「この植物を残してやろう」とか悠長にかまえているのだが、この季節になるとトンでもないことになってしまう。水路に残したクレソンはバケモののように増殖して水路をふさぎ始めるし、猪ちゃんにワサビを荒らされてがっかりしていた湿地は、イタドリなどが大きな葉っぱをわさわさとつけてジャングルのようになっている。旅でアトリエを3日も空けようものなら、草木の成長でちがう景色になっている。

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明治天皇と山梨の山林


甲府はむかし南アルプス登山で何度か訪れたことがあるが、市内をゆっくり観たことがない。市内に車を停めて甲府城跡「舞鶴城公園」を歩いた。古い石垣に新たな石垣が混在したかなり立派な公園になっている。頂上あたりにミナレットのような石柱が建っている。

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その正体を確かめようと、とりあえずそこまで登ってみた。「謝恩碑」という説明書きがあり、碑文の現代語訳が銅板に書かれている。山梨は天皇家から譲り受けた山林があって、それゆえ公有林が多い(自然塾の町有林もそのひとつ)ということは聞いていた。それが、頭の片隅にずっとあった。その理由がここに書かれていた。すなわち・・・

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山梨は高い山々に囲まれ多くの川が集まる地形であるが、地形がもろく昔から水害におびやかされていた。無計画な伐採や、火入れが原因であったという。度重なる災害を目の当たりにし、当時の明治天皇が御料地を山梨県に与えることにした。

その顕彰と感謝のための石碑なのであった。陛下は

「以後、山林をよく手入れして国土を守るように」

とおおせになった。大正8年3月の碑文である。僕らはここに導かれたようた気がした。そこから甲府の町が見渡せた。ちょうど夕日が山の端に落ちかかるところだった。

アーケード街を散策し、喫茶店で休みながら相方と今回のイベントの感想を語りあった。今日は車中泊で、明日は笛吹川上流の西沢渓谷を散策する予定だ。フルーツ公園という夜景のすばらしいおあつらえ向きの駐車場をみつけた。夕食はコテージで炊いたご飯のおにぎり。缶ビールと増穂の地酒「春鶯囀(しゅんのうてん)」で夜景を観ながら乾杯。デザートは「くろ玉」。青豆の餡が入った素敵な甲斐の銘菓である。

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シドキとキャラブキ


久々に児玉の助っ人Y氏がやってきてアトリエのスギ林に入った。まばらに広葉樹が伸びて、新緑の色を光に輝かせている。昨年からY氏もいっしょに選木し間伐した成果が見え始めている。「おお、明るくなったねぇ。気持ちイイねぇ」と声を漏らすY氏。足下にはスミレが咲いている。ケヤキやカエデが元気に育ち始めている。この広葉樹も大事に育てていこう。楽しみである。

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