埼玉県の鶴ヶ島市で活動するNPO団体からイラストマップ製作の依頼を受け、皆の活動日に調査に行った。場所は鶴ヶ島市が「市民の森」として一般市民に開放している平地林で、スギ・ヒノキ、雑木林が混在している。全体にけっこうな広さがあるのだけれど、平地だけに様々な施設が入り込んでいる。変電所、ゴミ処理場、建設資材置き場、養鶏場。中を流れる小川はトンボやホタルの生息に最適と思われるが、上流の工場が塩分を流していて水質はよくないという。
人工林の運命としてご多分に漏れず、放置、線香林化、風害を経て強度間伐、その後再び放置。ここでNPOに手渡されて整備が始まったところだが、ではいったいこの森をどのように整備・運用していくのか、というスタート段階にある。残されたスギ・ヒノキは太く育ったものもあるが、割れ、曲がり、虫食いなどが入っており経済林としての再起は難しそうだ。ツルがはびこっていてある意味壮観である。
午後、現場を離れて市の図書館で郷土資料を閲覧した。過去に鶴ヶ島の植生調査をした宮脇教授のものがあって、じっくりと読み込んできた。
帰りに茨城の古河を回った。蔵などが多く残っている町だ。名物の餃子屋さんで餃子とラーメンを食べた。古河市立図書館に入ったあたりでわかに雨と風が来る。篆刻美術館を観ているうちに雷雨となった。
実際その夕刻の雷雨は竜巻を呼んだり鉄塔を倒したりと凄いものだったらしい。アトリエへの帰還途中、農作物の被害や街路樹の折れたのを見かけたりした。「龍神様の怒りだね・・・」と僕らは苦笑しながら顔を見合わせた。