スギの残滓


昨年8月に取材した群馬県松井田の田辺林道施業のその後を見てきた。2日間の田辺さんらの施業を引き継いで、地元の作業班が道を延ばしていた。田辺林道の大きな特徴の一つは、盛土に表土をブロック積みして自然植生を促し、法面の崩壊を防ぐことである。

8月に施業したということは、その植生回復には時期的に不利なのであるが、崩壊はまったく見られない。盛土の基礎とも言うべき「床掘り」とその転圧、さらに表土を地山と交互に積むことによる転圧効果によって、植生回復によらずとも強固な盛土法面ができている証しのように思われた。もちろん、根株を埋め込む効果、アンカーを使った丸太による法面の土留めも見逃せない。

その作業道を入れた後で、間伐材を出した跡があり、結果的に強度間伐を施した山に変わっていた。数年ですばらしい山に回復するだろう。と、ここまではいいのだが、僕らが目にし、気になって仕方がないのは、その伐採残滓の山であった。

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スギの赤芯


水源の沢の林内にスギの倒木があった。くだんのクヌギを集材するときに一緒に出し、しばらくまるのまま放置しておいたのだが、薪用に玉伐ってみた。案の定、白太の部分(辺材)はグズグズに腐っていた。

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山、動く?


上毛新聞1/3日付けの1面、注目記事。

「藤岡市、環境保全へ私有林整備」
「広葉樹に植生転換『市民の森』づくり推進」

日野地区というと、我がアトリエの裏側の山にあたる。85haを樹種転換するために、まず始めに5~6割の強度間伐を施すという。市内には稼働を始めたばかりの「県産材センター」があり、間伐材は伐り捨てではなくここへ運ばれるようだ。

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フジとクヌギ


というわけで薪づくりである。今年伐ろうかと考えていたやや太めのクヌギが敷地にあるのだが、かなり太いフジがからみついている。そのフジは、伐ろうと考えていたクヌギの隣にあるやや小振りのクヌギの根元から立ち上がり、その小振りのクヌギを介して絡み付いている。

すなわち、目的の「やや太めのクヌギ」を伐り倒すためにはフジを伐らねばならず、小振りのクヌギも伐り倒さねばならない。大小のクヌギに架け橋のように絡んだフジは、位置が高くて切断がままならないからである。

ところが、ここでもう一つモンダイがあった。小振りのクヌギの側から立ち上がったフジは、「やや太めのクヌギ」を介してさらに上部にあるシラカシ大樹にも届いているように見えるのだ。この3本を伐ったとしても、シラカシに絡み付いているとすれば倒れない可能性も出てくる。

念のため、「やや太めのクヌギ」に梯子をかけ、牽引のロープをかけておいた。まず大蛇アナコンダのようなフジを根元から切断。そして小クヌギを伐る。案の定、倒れない。そして、ぐっとテンションのかかった「やや太めのクヌギ」を伐りにかかる(危険である)。

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スギを運ぶ


久しぶりに敷地の山に入ってスギを運び出した。雪害木の整理も含め、昨年秋に伐っておいたものだ。皮が剥がれておらず(皮を剥げない)虫食いの穴がとても少ない。葉をつけたまま林内に放置しておいたものは水分が抜けてとても軽い。葉のついた頭の部分を伐ってしまったものはやや重い。

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