灰がつなぐもの


草取りの変遷


春から始めた畑仕事、石垣に囲まれた山村の、石ころだらけの傾斜地という特殊な場所ではあるが、畑の草取りをしながらいろいろ思ったこと。基本的に僕らは無農薬・無肥料・草との共存、という徹底した自然農をイキナリ目指している。が、周囲の方々との関係もあり、あるていど妥協しつつ、様子をうかがいつつやってきた。まあ、初めての畑仕事ということもあり、なにが本当に正しいのか? さっぱり解らないまま、自分たちの汗と感覚から生れ出るものを信じて進むしかないのである。

さて夏になり、草との戦いを経て、この「草取り」なるものが時代によって大きく変遷していることに気づかされた。いま、過疎に悩み人手のない山村では、エンジン機器を使ってさえ草刈りが間に合わない。かつて、若い男手がたくさんあったときは、もちろん大カマで手刈りしていたのであるが、今や除草剤を使わざるを得ない場所も出てきたのである。除草剤 は今どきホームセンターでも売っているけれども、草を枯らすだけの毒があるなら、動物にも害をおよぼすには違いなく、実際にこの集落でもホタルがまったく見れなくなった、というのはこの除草剤の使用も影響しているだろう。
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バスをみる


敷地の草取りと畑仕事に没頭する。ネギは3カ所に植えているのだが、上の敷地のものを分けつして植え変えた。草も抜いて地ならししてから始めたわけだけど、土がふかふかになっていて驚いた。しかし、草の成長はスゴイなぁ。まともに草取りにつきあっているときりがない。しかし放置するわけにもいかない場所がある。水路、道、石垣、庭先など。カラムシなどは人の背丈以上に伸びてしまうし、カラスウリ、カナムグラ、などのツル植物はちょっと目を離したすきに灌木を覆ってしまう。山の植物の夏の成長にはまったく圧倒される。

都会人にはこの感覚が解らないだろう。僕も都会に住んでいた頃は解らなかった。アウトドア遊びを頻繁にやっていたのに、である。だから「植林」が簡単に美談になってしまうのだ。日本の山においては、木は勝手に生えてくるものなのだ。もし植林した場合、日本では「下刈り」という大変な手間が、何年も必要なことを多くの人は知らない。夏の山村農家は草との戦いに明け暮れる。過疎で年寄りばかりになって人手がなければ、除草剤を使うこともある。もちろんアトリエでは使わない。編み笠、軍手、そして手ガマでいく。
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クリンソウその後


前日、布団を干したせいか寝苦しく、明け方3時におきて新品のプリンタースキャナの設定をする。2万円代の製品なのだけれど性能は驚くほど向上している。とにかく速くて静か。前のプリンタは印刷時に心臓に悪いような物音がしたからね。それにコピーがさっとできるのがありがたいし画像もシャープだ。最近、近所の方々にコピーを頼まれたりすることが多いんだよね。しかし、機能が複雑に進化していて、マニュアルを読み込むのが面倒。前のプリンタを買ったのは2000年、もう5年も前のことだものな。パソコン進化の過程で5年といえば大昔だ。

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自然農、前橋


午前中は畑で雑草刈り。イタルさんに貰ったモロヘイヤの苗と、自分で種から育てた枝豆を植えた。アトリエの雑草だらけの畑は地元の人には野放図に見えるにちがいなく、Y先生やイタルさんの視線と評価が気になるところであるが、われわれの信念も揺るぎないのであった。周囲の畑地には雑草はほとんど生えていない。除草剤や土壌消毒で根絶やしにした後、作物を植えるか、もしくは雑草が生えてきた時点で徹底して駆除するからである。

そのような農業は、実はとても管理しやすい。目的の作物の成長だけを明解に眺め続けられるからである。たとえばY先生などは、雑草は小さいうちに引っこ抜くか平鍬で掻き取って土に混ぜてしまう方法をとる。僕らも最初それを真似ていたが、途中で雑草をある程度認知することにし、目的の作物の成長を阻害する近隣のものだけを駆除する方法に切り替えた。しかもそれは引っこ抜くのではなく、根元をカマで刈り取ってその場に伏せておくのである。畝の間に生える雑草も、あまり背丈が伸びたものはこの方法で刈る。
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草刈り、フキ採取


水路の中の草刈りをしていると、イタルさんが通りかかる。「ラッキョウ植えてみるかい? 明日、苗をやるよ」夕刻までに畑に3畝を新たに造成する。庭と敷地にオオバギボウシが出てきた。敷地の草刈りをやりながら、今日はまたカボチャ苗を植えてしまった。ちょこちょこと穴を掘って植えてしまえばいいわけだから、楽なんだけど。しかし、全部収穫できるとなると40個以上になるはず。

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