同じH集落に古民家を移築しようと奮闘中のカナダ人のアダムがいよいよ移築予定場所で動き始めた。まずは作業小屋を作るんだそうだ。といってもかなり大掛かり。小型ユンボをリースで借りて基礎づくりをしている。その写真を撮った後、アトリエに戻り、室内の掃除。
虫と野菜
朝、僕はネットを立ち上げて日記書き。しかし、ブログ形式になって日記をアップするのが実に楽になりました。PCの世界は煩雑な事務処理がどんどん短縮化される方向に進化をしている。アドビが『Creative Suite2』という総合ソフトを発表した。Mac派の僕がちょうどOSを10に切り替え、グラフィックソフトを一新するまさに絶妙のタイミングである。
ハーブ畑の手入れに行っていた相方、イタルさんからスナックエンドウをゲットして帰ってきた。二十日大根(赤カブ)ってサラダのお飾りという印象ですが、これが採りたては実に深い甘みと辛さがあってウマい。スナックエンドウはこの集落の畑の定番らしく、皆つくっているようだ。グリーンピースみたいなんだけど、皮まで食べれてその甘いこと。もちろん、中の豆だけを食べるともっと贅沢で美味しい。実験的に蒔いておいたテンティル(レンズ豆)が発芽したので畑に移植した。
ランニング・フェンス
旅で2日空けて、この雨で畑がどう変化をみせているのか、イノシシは大丈夫か、朝さっそく畑へ。あぎゃぎゃ! やっぱりジャガイモをかなりやられている。それでも被害は1/5くらい。しかも掘った後も食べ残しがあったりして、その周囲のジャガイモを抜いて少しイモを掘ってしまうことにした。まだ小イモの小さいのがぶら下がっているのが惜しい。もう少し地中に置けば、これがさらに大きく成長するんだろうな。それにしてもずいぶん土が柔らかくなって驚いた。大きなドバミミズを何匹も見る。そういえば、これもイノシシの好物だったはず。他にも足跡でまだ苗の小さいツルムラサキがつぶされたり、相方のハーブ畑にも足跡を残し、バジルが一部踏み倒されていたりする。
からむし織を追って
ミズバショウの季節に尾瀬に行くのを考えていたのだけれど、天気がよくない。ようやく畑仕事にくぎりがついた 15日、ちょっと出遅れて地図を仕入れて秘湯へ一泊。場所は栃木県の川俣温泉。ここから翌朝、尾瀬もしくは鬼怒沼へ・・・と考えたが、ここまで来たら福島県昭和村の「からむし織の里」を見に行こうということに。尾瀬はまたじっくり計画の後、ということで。
「からむし」とはイラクサ科の多年草で、この草から麻に似た繊維が採れる。昭和村は本州で唯一、からむし織が現役で残っている。木綿が普及する以前、遥か縄文時代の昔から利用されていた植物繊維で、日本の山村ならどこでも普通にみられる。群馬の山村でもカラムシの成長は旺盛で、とくに石垣の天端にはまるで柵のようにカラムシ群落が立ち上がっているのを見る。昨年、薪ストーブで細かな雑木を燃やしているとき、カマで刈って棄てておいた乾いたカラムシが混ざっていた。その繊維を剥きとって、強靭なこと、繊維の透明感に惹かれるものがあった。どうやって糸を紡ぐのか、その布はどういうものなのか、実際にこの目でみて触れてみたいと思っていたのだ。
丸沼、戦場ガ原、光徳牧場と進んで峠を越え、延々の下り道にうんざりしかけた頃、ようやく奥鬼怒川俣温郷に到着。鬼怒川最源流の流れに突き出した露天風呂は広々として良かった。翌朝、五十里湖を過ぎて「巻き枯らし間伐」の山が現れる。藤原町の森林組合の仕事だろうか。栃木でもこの施業が普及しているようで嬉しい。
雑草のちから
肥料を施しても、それが雑草に取られてしまったら損。それで排除するわけか・・・。だけど、雑草の混在する畑が正しいように思える。モンダイは「作物は自らの根っこで天然の養分を探しにいく」そう考えられるかどうかにかかっている。雑草を残すのを容認しはじめると、これのほうが自然なのではないかと思えてくる。作物以外の草を徹底的に排除するというのは、どう考えても異常なことに思えてくる。
いま、『妙なる畑に立ちて』に書かれた方法で、作物の成長を阻害する雑草だけを取るようにしている。作物にご接近している雑草は「引っこ抜く」のではなく、付け根をカマで刈り取って、それをその場所に横たえておく。多分、このほうが作物の根を傷めずにすむのだろう。甲虫がたくさん見られるようになってきた。畑にはナナホシテントウがとても多い。