関西圏であるから高松はお好み焼きも多いのであるが「ふみや」は独特である。本店は常磐新町にあり店の近くに行くとすでに蠱惑的な匂いがするのである。これは炒め油にケンネ(牛脂)を使っているからで、コの字型のカウンターで店主自ら焼いてその鉄板の上でヘラで食べるというスタイルなのだが、仕上がったお好み焼きは独特なので、いちど食べたらたいがいの人はやみつきになる。
本店は常磐新町にある。こちらは鍛冶屋町店。
コンクリート打ちっぱなしのお洒落なビルが高松にはたくさんある。ふみや鍛冶屋町はそんなビルの2階にある。やみつきになるほど美味いんだけど、私たちが頻繁に行くことがないのは、実はこの店は「禁酒」なのである。
麦酒が置いてないのだ! ついでに青のり・かつおぶし・マヨネーズも置いてない。「持ち込みも禁止です」とホームページにうたってある。むう・・・。
というわけで、今日は「お持ち帰り」をたのんで自宅アジトで麦酒を飲みつつ食す、という作戦に出たわけです。15分ほど焼き時間がかかるというので近所の高松市立美術館の休憩コーナーで時間つぶす。yuiさんもiPhoneマスターになったから時間つぶしはぜんぜんOKなのだ。
キター!!! yuiさんに先に帰ってもらい、私は冷えた缶ビールを買いに走る。
丸形スチロール容器、「きも玉」と書いてある。きも玉 600円、かしわ玉600円、肉玉590円、豚玉570円、いか玉570円、えび玉 570円。テイクアウト容器代は+10円である。
オープン♪ 強烈なビュジュアル。たっぷりな牛脂によって周囲がカリカリになるのが「ふみや」の特徴だ。
きも玉は鶏のきもが入っている。これはレバー。
これはハツ。食感がいろいろ楽しめて美味しい。あああああ、ビールがすばらしく、合う♬
特筆すべきはソースである。仏生山の「神崎屋」という醸造所の特注ソースを使っている。神崎屋は創業1789年、200年以上にわたって米酢「吉の酢」を製造。いまも杉樽を用いて発酵・長期間熟成という手作りを守り続けているのだ。化学調味料は不使用、甘いけど深みがあり、キリリとしている。ふみやのお好み焼きは、このソースがあって完成している。最後まで食べ飽きない。だから、青のり・かつおぶし・マヨネーズなどは邪魔なだけだ。
このお好み焼きはあまりに独特だが、さりとて「Bグル」と呼ぶには不相応な逸品である。焼きそばや焼うどんもあり(まだ食べたことはない)、とくに特選えびそば焼720円というのが人気メニューらしい。
高松に来たら「うどん」「骨付き鶏」「魚介類」の他に、時間がゆるせば「ふみや」も入れたほうがいいと思う。
ちかく神崎屋の「吉の酢」を調査せねばなるまい。