今年、西日本では、例年になくマツ枯れとセイタカアワダチソウの繁茂が盛んだったように思う。といっても私の行動範囲はたかが知れていて、その中で見た範囲だが。中国のPM2.5というやつが影響しているのかもしれず、はたまた放射能の影響や国内の焼却場からの影響もあるやも知れない。
撮りためてあった写真をいくつかアップしておく。
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これは高松市内の栗林公園にある紫雲山。薬剤防除もかなり行なっているはずだが。
高松市内の空き地。
国分寺市内。ここは恒常的に枯れているマツ山。花崗岩地帯で痩せ地の山。枯れては新たなマツが生えて更新している様子。
同じく国分寺市内。近くで山火事があったそうだ。その影響ではないか? とTwitterで指摘を受けた。煙害や消化剤の化学物質がマツ枯れ促進させた可能性ある。でも、全焼して炭化したならマツの自然再生にはむしろ有利に働くはず。炭を播いてマツを再生させる施業があるくらいだから。いずれにせよこれだけマツが残っている山は貴重で枯れも目立つ。
つまり、讃岐においてマツ枯れがない山は「過去のマツ枯れによって、早くからマツそのものが消滅している山」なのだ。そのくらい、この地はマツ山だらけであったのだし、戦後そして高度成長期から、膨大なマツが枯れていったのである。
坂出市、過去の枯れによる白骨樹、今年のマツ枯れ、そして再生したての青々としたマツの三層が重なる山肌。
多度津の盛土山古墳。うっすらとセイタカアワダチソウに覆われ始めている。
三豊市の荒れ地。耕作地・管理農地の畦などは草刈りを繰り返すのでセイタカは見られないが、放置された荒れ地は大変な勢いで繁茂が再開している。
宅間半島の山も若干のマツ枯れが。でも、この程度は毎年恒常的におきている。
ミツバチにとってはこの季節の重要な吸蜜花だ。
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これは島根の出雲神社付近の山だ。すさまじい白骨樹の山、そこに広葉樹が再生している。
出雲大社の裏山も。ここは中国大陸からの越境汚染に直撃される場所でもある。
参道のマツは大量の炭を撒き入れ樹勢を回復させた。この実験は出雲土建株式会社が廃材の炭化炉を製造し、小川真さんの指導の下に炭と菌類を入れて再生に成功した例として有名だ。根の保護のために参道の中央に入れないようにしてある。
しかし、マツに近づいてみると防除剤のタグが付けられている。安全パイとしてのの施業か?
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拙著『「植えない」森づくり』の2章「緑の戻るマツ林、枯れ始めたナラ林」を書くには、資料や書籍・文献の渉猟、現地調査、それこそ頭がウニになるほど考え(笑)、執筆に時間をかけた。菌根菌を理解しないとマツ枯れの謎は解けない。
私のツイートとのやりとりを「桔梗屋」さん(@r_kikyoya)がまとめてくれた。こちらもぜひお読み下さい。