また逆打ちである。58番札所「仙遊寺」は山の上のお寺で標高250mくらいの所に位置する。高縄半島の最高峰は東三方ケ森の1233mだから、寺のある山はそれほどの標高ではないのだが、深山の雰囲気に満たされている。
真新しい山門が現れるが、車道はまだまだ先に続く。
仁王様はルネサンス彫刻風でりりしい。
歩き遍路は山門から標高差60mの石段を経て境内に着く。車は寺の裏側の駐車場を利用する(駐車料は400円)。
境内への道すがら無縁仏の供養所に石仏が並ぶ。思わず合掌。
本堂は山の中で木に囲まれているせいか大きく堂々として見える。
厳かな入口からほの暗い堂内に入ると、ご本尊の千手観音像が見える。金地はまったく見えず焦げ茶色に染まっている。それが、このお堂によく似合っている。
まず鐘を撞こうと思ったら、鐘楼の下でお接待のテーブルができていたので遠慮することに。
お団子や伊予かんの生絞りジュースが接待される。私はジュースだけいただいた。
鐘楼の正面から本堂を望む。歩き遍路はこの角度から本堂を見るわけだ。
間に大師堂。樹木に囲まれたお寺もいいものだ。ここは紅葉もきれいだろう。
本堂の廊下に横座り、というのが赤い仏像「びんずる尊者」(写真・左/撫でると除病の功徳がある仏)の定位置のようだ。
驚いたことに、こんな狭い山上に天然温泉付きの宿坊がある。調べてみると、評判もいいようだ(食べログにも載っている!)。予約すると精進料理が食べれるらしい(こちら)。一泊二食付きで5800円。近くに通夜堂もあり、炭焼きをする面白い和尚さんがいるらしい。
まだ咲き残っていたシャクナゲ。
帰りのバス用Uターン所からの展望。麦秋と花崗岩風化土のクリーム色の風景は、讃岐平野によく似ている。風景は土が造る。