この周辺のお寺を残したのは、実は室戸岬周辺に自生する天然記念物のヤッコウソウを見たいと思っていたからだった。もう時期が遅いのだが、ここ26番「金剛頂寺」では見れると期待して行った。
駐車場から長い階段を上がる。高知の海沿いのお寺はこのパターンが多い。
山門には大きな草鞋。その奥に仁王像。
ちょっとアニメチックな彫刻だ。
本堂。スカッと晴れた日のお寺と、どんより曇った日のお寺では、その印象があまりにちがう。とくに原生的な森をもつ岬のような場所では。
大師堂。
若き日の弘法大師がここで修行されたとき、天狗等の魔性の類が多く、問答勝伏され足摺岬方面に駆逐したそうな。それで大師堂は足摺のほうを向いている。
その謂れを表現したリレーフ。
さてヤッコソウだが、やみくもに境内の林内を探したのでは見つかりそうにないので、納経所でありかを聴いてみたら快くポイントを教えてくれた。霊宝殿(収蔵庫)奥の原生林のスダジイの根元に出ている。木柵で囲ってあるのが目印だった。
あったあった! 小さい。が、数は多い。
スダジイの古木の根に寄生する植物で、葉緑素を持たない。日本の三大奇妙植物といえば、このヤッコソウにギンリョウソウ、そしてツチアケビ、ってとこだろうか?
古いものは黒くなっている。ヤッコソウは日本では徳島、高知、宮崎、鹿児島、沖縄だけにある。ヤッコソウを発見し、学名をつけたのはかの牧野富太郎博士だ。
もう一ケ所、トイレの前にあるというのでそちらも見に行った。男子トイレの窓から見えるというけっこう興ざめな位置だった(笑)。
海が見えた。ここの標高は160mくらい。下に見える右から2台目の車が私のだ。
まだ時間がある。もう一つ回ることにする。