20番鶴林寺と那賀川をはさんである山上のお寺である。前者が標高約550m、ここ21番札所「太龍寺」は標高618mの太龍寺山の山頂近くにある。空海19歳頃、この境内近くの岩峰で修行した記録がある。
徳島の札所では焼山寺に次ぐ難所だが、平成4年にロープウェイが開通。全長2,775mは西日本最長。101人乗り、所要時間約10分。
私たちはそこを回り込んで裏側から車道で行くことにした。とはいえ、前20番鶴林寺のように山門まで車道があるわけではなく、かなり狭いくねくねの山道でようやく着いた駐車場から、また1kmほど山道を歩くことになる。
間伐が行き届き、下層植生が共生する人工林は、悲しいことながら今の日本では珍しいのだが、ここでは、寺にたどり着くまでずっと、人工林はいい状態だった。
広葉樹林も混じる。サンコウチョウの鳴き声が聞こえる。
車遍路にはわずか1kmの歩きでも、長いーw。
ようやく山門が見えた。
かなり時を経て、木肌はくたびれているが、朱色だけはやけに鮮やかな仁王様。
まず経文を納める六角堂があって、龍天井のある本坊(持仏堂)。
四条派の画家、竹村松嶺による。
前の鶴林寺が鶴なら、こちらは龍のアイコンに満ちている。しかし、このモチーフは龍と戦う天女(人魚?)。胸をあらわにして修行中の僧をたぶらかす天女を龍が追い払うの図???
鐘がある山門が見えてきた。撞かせていただいた。
境内は広い。ようやく本堂が見えてくる。
本堂。大きい・・・。灯籠に明かりが入っている。ご本尊は虚空蔵菩薩。
本尊はうかがい知れない。廊下にあるびんずる尊者を例によって激写。
大師堂はやや離れていて、石橋を渡ってしばらく歩く。
拝殿の奥にはさらにもう一つのお堂がある高野山と同じ配置。「西の高野」と称されるゆえんである。
それにしても拝殿の彫刻が凄い。風の通りがいいのか、湿気の苔などがなくてよく鑑賞できる。
遠く鶴林寺の塔が見え、反対の尾根にはロープーウェイの歯車が回っているのが見えた。大師が修行されたという「舎心嶽」(大師像がある)までさらに歩いて行けるのだが今回はパス。今日は室戸岬まで行ってみたいのだ。
カンアオイ発見!
石灰岩の階段は珍しい。
下り道では徒歩で登ってくる人たちと何グループかすれ違う。駐車場にはけっこうな数の車が。ここにはトイレがあり山水の水場がある。
そういえばロープーウェイ乗り場を回り込む手間に「氷柱(つらら)観音」と書かれた鍾乳洞の看板があったのを思い出した。鍾乳洞=石灰岩だ。
▼シームレス地質図でみるとやはり石灰岩がある。
赤ピン(こちら)が「氷柱観音」