今日の4寺目、27番「神峯寺」は土佐の難所のひとつで「真っ縦」と呼ばれるほど急な坂道を延々と登らなくてはならない。海岸線から標高約450mの山門まで尾根道を行くのであるからなかなかのものだ。26番の金剛頂寺から直線距離にしても30kmと長い。
山門の軒が深い。それを支える木組みがまた凄い。
中のおわしますは意外にもカラフルでポップな仁王像。
神峯寺は土佐の関所寺だ(各県ごとに一ヶ所あり、阿波は19番立江寺、伊予は60番横峰寺、讃岐は66番雲辺寺)。
刈り込まれた庭園が見事だ。こんな山の中に・・・
ここまで上るとさすがにモミジの紅葉が見られる。
大きな本堂だが、明治初期には神仏分離令によって一時廃寺の悲運に遭った。神功皇后の時代の神社が起源というから歴史は古い。岩崎弥太郎の母親が息子の成功を祈って安芸の家から裸足で参詣した話も伝わる(大成した弥太郎は寺に山林を寄進したという)。
振り返るとスギ木立の向こうに海が見える絶景。
やや離れたところに建つ大師堂。
手書き文字とイラストでつづった空海の生涯に備長炭製法伝来の話が書かれていた。そうか、これも弘法大師だったな。
海まで下りると夕暮れ。室戸岬へ湾曲した海岸線は西に向く。だから四国では珍しく夕日が海に沈む光景を見ることができる。
夕日を撮ろうと海岸線の細道を行くと、岩窟に潜るようにして建つ喫茶店が出現!
空と海と山を堪能した一日。