奈良吉野〜京都桂離宮


今月末のイタリア旅行を控えてちょっと見ておきたい奈良と京都へプチ旅行。徳島からフェリーで和歌山に渡り、奈良吉野へ。そして京都は桂離宮見学(初体験)へ。

桜の名所、吉野。以前、yuiさんを連れて蔵王堂までは行ったのだが、その先の吉水書院は初めて。南朝の拠点であり、義経と静が最後に別れた場所である。

天理市の複合施設「なら歴史芸術文化村」に行ってみた(2022年竣工)。道の駅もあり、文化施設もあり、ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」で泊まれたりもする。「文化財修復・展示棟」には、文化財が展示されているだけでなく、仏像などの彫刻や絵画・書跡などの修理を行う工房も入っており、実際の作業を間近に見ることができるそうだ。食堂でとんかつ食べてみた。

その夜は京都に一泊。宿は東横インの新店舗「京都二条城南」。いまは無き京都国際ホテルに近い。夜、散歩に出た。三条商店街のアーケードをぶらり歩き、神泉苑の前を通る。yuiさんと最初に京都を旅したとき、この近くのチロルという喫茶店でカレーを食べたのをよく覚えている。その頃は、神泉苑が義経と白拍子の静が出会った場所などということはまだ知らなかった。

さて、翌日の桂離宮だが、以前はハガキの申し込みでハードルが高かったけど、いまはネット(メール)で申し込むことができる。午後3時過ぎの見学だったので、午前中は京都国立近代美術館の「倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙」に行ってみた。

開館時間までカフェで時間つぶし。

京都らしい、落ち着いたなかなか良いカフェだった。

倉俣史朗は昔から名前はよく聞いていたけど、実際に作品をしげしげ見るのは初めてかな? 三宅一生なんかとよくタッグを組んでいたよね。

ただ後半はイタリアのメンフィス(ポストモダンの時代に一世を風靡したデザイナー集団)に参加していた。その頃のエットレ・ソットサス風の作品なんかもあって面白かった。僕自身にイタリアのモダンデザイン的な感覚がある気がしていて、アルド・ロッシ設計の門司のホテルに泊まりにいったこともある。

併設で「印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1957-1979」という展示もやっており、池田満寿男の出世作である『女・動物たち』を見つけた。

桂離宮は専用の無料駐車場がある。予約のコードを見せ、拝観券を買って控え室に入る。25人くらいのまとまりで案内人に連れ添って庭を歩くのだった。室内は入ることはできないが、建具は解放されていて部分的に内装んども見れる。

やはり石と石組みがすばらしい。

当然、茅葺もたくさんある。

庭はすばらしく手入れされているが、ちょっと雨が少なくて緑が焼け気味。

戸袋の下は囲炉裏だそうだ。これで茶席の食べ物を保温しておくのだとか。

クヌギの皮付きの柱。

ごつい、華奢な、自然素材をふんだに使いながら、その組み方は甘さがない。

建具、表具が良いな〜。

外かまど。

竹と杉がとにかくよく使われている。現在までに何度か補修を繰り返しているのだろうけど。

これぞ桂離宮という・・・。

竹の雨樋の落ち口。

繊細な棚。

何度も図版で見ていたが細部がやはりすばらしかった。今年(2024年5月)『カルロ・スカルパの日本』(J・K・マウロ・ピエルコンティ著)という本が出た。ここにスカルパが来日して桂離宮を絶賛した記述が載っている。今月末からスペイン〜フランス〜イタリアへの旅をする予定なのであるが、その最終目的は北イタリアとヴェネツィアで彼の作品を見ることである。

どんなスカルパが見れるのだろう、楽しみである。


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