55番の南光坊は今治の中心部にあり、山門の規模は大きく大通りに面して偉容を誇っている。あの丹下健三（今治市が故郷）設計の市役所も近い。
山門にはかなり大きな四天王像が４体。手前の池には弁天様も祀られ、コイが泳いでいる。
鐘楼が組み込まれた山門はまだ新しい。平成10年の完成。鐘木につながるロープが滑車で下がり、それを引けば撞くことができるので、撞いた。
四天王像はその４年後に安置された。木肌を残して部分を金地で仕上げ、渋く仕上げてあるのが平成らしくて良いね。
もとは大三島にある大山祇神社の別当寺の一つだった。海を渡っての参拝が不便だというので、別宮をこの地に建てる際に南光坊を含む８坊が移された。しかし伊予全土に及んだ長宗我部の四国平定の際、すべてが焼き払われた。
その後、南光坊のみが再興されたが、第二次世界大戦の空襲で金毘羅堂と大師堂以外の伽藍を消失。
戦後、本堂再建。平成3年薬師堂再建。そうして山門鐘楼堂と四天王像ができ、現在に至る。
昭和56年に再建された本堂。
大師像。修行僧時代の造りなので丸めたゴザを背負う「バックパッカー大師」だ♬
大師堂。この堂々たる軒の深さを見よ！ 大正5年、長州大工による建造。平成22年改修工事がなされている。
びんずるコレクションはできなかった。残念。かわりに信者さんが奉納された木彫りの地蔵菩薩像があった。おお、大師像に相似するように「バックパッカー地蔵」ではないか♬
南光坊にニャンコーボウ現わる＼(＾o＾)／
クスノキの根元にタチアオイが咲く。根元に毛筆で「六月の花 立葵 花言葉 大きな志」と書かれた木の札が置かれていた。
2006年の夏、大三島へ渡り、大山祇神社へ立ち寄ったときの感動が思い出された。
これで八十八箇所の半分を一つ過ぎた。あと四十三寺。