高松の商店街から一番近い札所、83番「一宮寺」へ行ってみる。途中、古い石柱を見に行く。香東川にかかる沈下橋の近くにある。讃岐は雨が少ないので川の水量は少なく沈下橋は珍しい。
この石柱は笠と火袋を持った珍しいタイプだ。
高さ2mを超える県下でも有数の道標。この道しるべを見ながら昔のお遍路さんは一宮寺へ向かったのある。
近くの善根宿に行ってみた。「スローライフなお宿」。工場の経営者がされているようだ。
さて、一宮寺。山門、遠景。
門前にいい石柱があるではないか。弘法大師像が彫られている。ん~秀逸♬ 苔寂(こけさび)具合もイイ!
手前にはもっと大きな道標がある。しかしこれは次の札所を指すのではなく、仏生山への道しるべだ。仏生山には初代高松藩主松平頼重の菩提寺「法然寺」がある。ここもなかなかいいお寺ですぞ(こちら)。
「神毫山」の山号額。
仁王様。極彩色のときのお姿を見たかった♬
緑青をふいた鐘に棕櫚(シュロ)の鐘木(しゅもく)。
手水場には大師像の手から水が流れる。ひしゃくの裏には寄進した信者さんの名が書かれている。さて、どれを選ぼうかなと、迷う。
と、本堂に参ろうというそのとき、ドドドドっと大勢のお遍路さんがなだれ込んでくる。先達さんに連れられたバスツアーの遍路だ。先達の声がデカイ。ここでyuiさん手づくりの頭陀袋から取り出した箱を開けたら、ローソクが残り1本しかないことに気づく。
お遍路集団の読経とその後の納経にかち合うのも嫌だし、ここは近所のスーパーに歩いてローソクを買いにいき、間を取ることにした。
*
歩いて5分ところにちょうどスーパーがあり、戻ったときには、くだんの団体は大師堂でお経が終わる頃だった。
大師堂の中には金灯籠がずらりと並んで壮観だった。中に売店コーナーがあってローソクを売っているじゃん! がっかり~ 。
隣には、平成18年に落成した護摩堂が輝いている。奥に不動明王像が見えた。
護摩堂手前の石灯籠は、京都の「西村石灯呂店」の4代目、西村金造氏の作。西村さんは金沢兼六園の琴柱燈篭などを造られた名工だが、1950年後半、20代の頃、イサム・ノグチと親交があり、初期の代表作である「黒い太陽」などの彫刻作品を協力した方である。
一分の隙もなく組まれた複雑な斗栱(ときょう)がこの平成の世に再現され、これから数百年の時を刻む。石灯籠はさらに千年の時を過ぎても立ち続けるだろう。そのときお遍路さんはどのような姿で歩いているのだろうか。
駐車場からのアプローチの石畳に、遊び心が見える。いいね♬
讃岐は石の産地なので石工の名品がたくさんあるのも見所。