あと2寺で高縄半島の寺を打ち終える。西側から今治に入りなおして54番札所「延命寺」へ。
今治市の北の郊外にある。山門は仁王像なし。明治初期、今治城取り壊しの際に譲り受けたものだそう。
庶民的な感じのする境内。ローソクや線香などを販売するお店が縁日の茶店という風情をかもしている。
鐘を撞く。やや小型ながらいい響き。提灯が下がっていますね♬
本堂。こちらのご本尊は88箇所では珍しい不動明王。真言は「のうまく さんまんだ ばざら だん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん」と長いので、慣れないと唱えるのも大変。
屋根の飾り瓦に大きな宝珠が。宝珠は「意のままに様々な願いをかなえる宝」という意味。
大師堂。参拝者は多かった。前の札所にいたサングラスのおじさん遍路がいる。歩きだと思ったが、この間は鉄道を使ったのかな? 軽トラ尺八の親爺さんはまだ来ない(逆打ちなのかもしれない)。
売店で売られていた手ぬぐい。各札所でオリジナルを作っているようだ。
売店の奥が納経所だった。1200年記念印は「いぬるの鐘」とある。
・・・むかしこの寺の鐘は音色のよさで有名だった。その噂を聞いていた長宗我部軍の兵士たちは、鐘を略奪した。船に乗せて海上へ出ると鐘がひとりでに鳴き始め。
「いぬる、いぬる(帰る、帰る)・・・」
と聞こえたという。たたりを恐れた兵士たちが岸に戻ろうとすると、突然船が傾き、鐘は海に落ちてしまった。
・・・という梵鐘伝説があるらしい。
なるほど、鐘の良き音は伝統だったのか♬