「大地の再生」@徳島つるぎ町


徳島貞光川の上流部の集落で「大地の再生」のワークショップ。「久薮のあじさい祭り」で知られる広いアジサイ畑。まずはそこをなんとかしたいとのことで、周囲まで含めて下見に行ったのが先月下旬だった。アジサイの剪定は遅れてかなり過密状態。

下にはやや広い駐車場。がちがちのアスファルトやコンクリートではないけれど、けっこう固められている。これでは地中の空気の抜けがない。

まずは座学。参加者は集落の先達方と若手と半々くらい。かなり奥にある山上集落で平家の落人部落なのだと聞いた。ここにいきなり「先生」が大上段に構えて話し始めては、気持ちが通じない。僕の群馬での山暮らし体験のことなどもスライドで交えながら、距離を詰めることにした(座学中の写真が撮れなかったので、主催のmikiさんのブログをどうぞ→こちら)。

みっちり3時間近い座学であったが、みな実に熱心に耳を傾けてくれた。広間でお昼をいただく。

神楽殿風に造られた阿弥陀堂の前に駐車場がある。この下に天日神社があり社叢のエドヒガンは樹齢推定300年以上、つるぎ町の天然記念物に指定されている。

アジサイ畑は下草刈りと「頭だけの剪定」はされているのだが、枝の中抜きがなく、剪定枝も下に放置されたままでその上をツルがからんでいるという状態。手が足りないと、急ぎエンジン機器だけで済まそうとすると、大体がこのような管理になってしまうのだが、これでは風が通らず、有機ガスが溜まったままになる。

根元の落ち枝を取り出して駐車場で山に積んでおき、まとまったところで枝を払って6~70㎝に切り揃え束にして薪に使えるように紐で縛っておく。この一連の作業はナタを使うと早い。ところが、若い参加者はナタをほとんど使えない。(これはいかんな、ナタの使い方から教えないと・・・)と思っていると、地元の参加者の女性が実にスムーズにナタを使ってさばきを教え始めた。

最下部の石垣も問題があった。苔むしていて石積みの目地が泥で詰まっている。ここもキレイに掃除することにした。

「でも、むちゃくちゃスッキリ穴の奥まで剥ぎ取ってしまわないように」

すき間にある植物の根は残しておいたほうがよい。水と空気を通しながら、土を詰まらせない・・・という「鍵」がこの植物の根とそこから派生していく菌類の糸なのだ。

アジサイ畑は約7,000株と広大であるが、間伐も必要になるので2~3割は本数を減らすことができるだろう。ともあれ丹念に手仕事でやっていくしかない。山が深いので日陰になるのも早い。そして影ると急に寒くなる。

もとより半日の作業で終わるはずもないのだが、皆が手入れの感触をつかんだようで、そして地元の方々も手作業の喜びを取り戻した様子で、それが嬉しかった。

標高は550m。ここは雪が降り根雪になる。春の雪解けが落ち着いて、エドヒガンが咲く頃、また泊りがけで講座をやろう・・・という主催者の声でその日は終了した。

暗くなって山を降りる時、駐車場にライトを付けたままの車が数台・・・山川の古民家でも参加してくれたMちゃんが作業中にスマホを紛失したらしい! が、翌日にアジサイ畑の中から無事発見というミラクル♬

ここは平家落人の里、伝説の剣山も近い。


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