前夜から左目の視界に異変を感じていたのだが、9/1の朝に起きたらもう8割ほどがシャッター幕をかぶせたように見えなくなった。これは明らかに進行している証拠なので、一刻も早く病院で見てもらわないとまずいと予感。早朝からネット検索し、検査機器の揃っていそうな眼科にあたりをつけて電話。
レインボー通りの「もりした眼科クリニック」という医院で女医さんだった。予約の検診患者も多数いたと思われるのだが、9時前に到着するとすぐに検査してくれ「網膜剥離」との診断。即刻手術が必要とのことで、自宅に戻り入院用の着替えなどをザックに詰めなおして香川大学の付属病院へバスを乗り継いで行く(タクシーは混雑でつかまらなかった)。
ここでもまた同じ機器で検査され、夕刻に手術開始(ここも担当は女医さんだった)。事前の説明では成功率9割というものでとても繊細で難しい手術のようだ。同時進行で白内障の手術もする。前回の良性腫瘍の切開は部分麻酔で1時間ほどだったが、今回は全身麻酔も行い1.5時間にわたるものであった。
全身麻酔といっても意識はあり、オペのあいだ機械音やドクターたちの会話も聞こえる。「絶対に顔を動かさないように」とオペの前に厳命を受けたのだが、一度だけピクッと大きく体全体を動かしてしまい、大声で注意された。
網膜剥離の手術後は白内障も必ず併発するのだそうで、だから同時に白内障の手術もする。白目と黒目の間を切開して水晶体の中身を超音波で吸い取り、そこに眼内レンズを水晶体の袋の中に入れる(いくつかレンズの種類がありそれを手術前に選ばねばならないのだが、僕は回復後に絵の仕事ができるようにと先生に選んでもらった)。
その後の網膜剥離の手術は眼球に穴を3カ所開け、レーザで剥離した網膜戻したあと、ガスを注入してふたたび眼球の内部に貼り付けるのである。
ガスによって網膜を復位させる関係で術後しばらく(少なくとも術後1-2日)の間、つ伏せの姿勢をとる必要があり、食事やトイレへの移動時も下向きで動かねばならない。これがなかなか辛かった。
ガスが完全に抜けるまで約2週間かかり、ガスが半分以下になるまでの約1週間は、術後ほとんど見えない(視力が出ない)。術後経過が良好でも、術後1ヶ月程度は網膜再剥離の危険性が高いので安静が必要。仰向けは禁止。うつ伏せ以外は正面向きと左頭を下のみOKと体位厳守を指示された。
その日は大部屋に入院となったのだが、抗生物質を飲んだせいか下痢になり、翌日には38度台に発熱してしまい、コロナの疑いをかけられ個室に移動することになりPCR検査を受けることになってしまった。
結果はインフルも含めて陰性だったのだが、きまりで個室から大部屋に戻ることはできないらしい(個室は保険がきかないので部屋代が高い)。熱も翌々日には平熱に戻ったのだが、下痢はずっと続き、後述する内容も加わって食欲もわかず断食状態に陥ったのである。