多度津は港に近い場所にも古民家が残り、改装したゲストハウス「香露軒」がオープンしている。また、本通りから東に少し離れた通りに京極家・多度津藩の屋敷が軒を連ねた「家中の武家屋敷」と呼ばれる一角があるが、今では富井家住宅(登録有形文化財)ほか数件しか古民家は残されていない。
その通りの続きに大きな古民家の空き家があり、前回の旅で大工のTさんらとともに内部の痛み具合を見、後ろ庭の風通しをしておいたのだが、前庭はマツが放置されて落ち葉が枝葉に積もり、地面にも堆積して敷石はまったく見えない状態になっている。さらに屋根に植木の枝がかぶって落ち葉が溜まっている。そんなヤブ状の前庭に風を通すべく、朝から庭のプロのサニリリ夫妻と共に皆で剪定と片付けに入る。
道路側から母屋までのアプローチ。松の枯葉が厚く堆積し、敷石が見えない。
刈り込んでいくと灯篭などが現れた。
庭をあまりに長く放置すると枝が伸びすぎて元の樹形を戻すのが難しい。樹勢が弱らない程度に枝を間引かねばならない。
ヤブ蚊も多く、全身落ち葉とクモの巣だらけになる。途中、息抜きに反対側の空き地へ出た。フヨウが咲き始めていた。
この空き地に残された蔵。補修改装すれば小さなショップやカフェギャラリーができそうである。
ある程度、風が通り目通しがきくようになったので、点穴を作ってもらうことにした。Yさんらに実際に「大地の再生」の施工法の一端を見てもらおうと思い、僕のアトリエから炭を持参してきたのだ。リリーさんがそれを細かく砕く。
いちばん大きなマツの周りに何個か点穴を入れることにした。
掘った穴にまず砕いた炭を入れる。
枝を放射状に編み込むように入れ、葉っぱで巻くように覆っていく。
石や太めの枝などを上にあしらって完成。これでマツの根の呼吸が良くなり樹勢が回復する。
Yさんにもやってもらった。
敷石が見えてきた。裸地にしないように土の部分には落ち葉でグランドカバーをして今日の分は完成。
お昼はまた「いけこうどん」ですだちを♬
午後から森へ。
(続く)