今日は多度津のお屋敷で「大地の再生」講座。本命はファイヤープレイスをこの家に作ることである。
ここに住みながら様々なイベントを展開しているKさんとはタマリンの森でお会いした。「薪ストーブを入れているのだけど寒いんです」というので帰りに見に行ったのである。
そのとき庭周りの雨樋のことや風通しのアドバイスをしておいたのだが、一番の問題はこの門を入ってすぐに広がっているコンクリートのたたきである、と思った。コンクリートは草が生えないし雨でぬかるむこともないので便利なものだが、夏は蓄熱し太陽光を反射して暑くなる原因になり、冬は冷輻射して極寒状態をつくる。
だからここの中央に穴を開けてしまって、そこにファイヤープレイスを作ったら? と提案した。そこから放射状にいく筋かのスリットを開ければそこが水みち風みちになり、植物は自然に生えてくる。これだけでも住環境はかなり変わるはず。が、いかんせん持ち家ではなく賃貸なので、今回はやめておくことにした。
というわけで庭周りから攻める。まずは草で埋もれている庭石をくっきり見せる。
塀との境界に溝があり、奥の角に桝があって外側の水路にパイプで落ちるようになっているのだが、そこが石で塞がれていたのでそれを全部取り出すように指示。
次いで植木も剪定してすっきり。正面の壁にも風通しを塞いでいる古瓦があったのでそれも移動。
皆んなでやると早い! 美しい庭がよみがえり、風通しも抜群によくなった。
納屋の前にかわいいピザ窯がある。煙突の向きを補修し、午前中から火を入れておいてお昼はこれでピザを焼くという趣向。
コンクリートの穴あけは中止したので、古瓦をコンクリートの上に敷いて焚き火台をつくり、そこに先ほど庭で出た小石を組み合わせて炉を組む。竹と枝の三又囲炉裏で羽釜ご飯を炊く。古瓦はコンクリートに焼き跡を作らない工夫である。
ピザが次々と焼き上がり・・・
ご飯もほんのりお焦げができる完璧な炊き上がり♬
日よけテントをはってしばし昼食のひととき。
さて、午後は納屋の天井板を外して梁を見せて・・・
その梁から自在カギを吊るせる位置を決めて、地炉を切ってみることにした。以前見せてもらったとき、煙の抜ける格子窓があったので「ここ囲炉裏作りたい」とKさんが言っていたのだ。
ツルハシで5〜7㎝ほど土間の土を掘りそこに庭から出た石を並べる。大きめで平たい盤が出るものをアドリブで、飼い石を入れながら組み合わせていく。梁に竹を渡してそこから自在カギをおろす。わずか1時間もかからずに囲炉裏の完成。
中に入れる灰がないけれど、地炉なのですぐに焚くことができる。さっそくヤカンをつるして火を灯してみる。囲炉裏発案から完成〜着火までの早さに参加者一同驚きの声ww。囲炉裏ができ、火が入るだけで、空間の質は劇的に変わってしまう。
煙が立ち昇り、格子戸のスリットから光の筋ができる。「美しい〜」と皆が口々に言う。
熾炭ができ始めたので、レンガ2個と焼き網をセットして焼き台も作ってみた。このために自在カギはセンターをややずらしてスペースを作っておく。
もういちど庭の水回りのチェック。本瓦の重量感のある古民家なので、長年のうちに土台が低く沈んでしまい、水勾配がとれない場所が出ている。桝の側面にドリルで穴を開け、屋根の雨落ちからの水を落とせるようにしておいた。
納屋に戻ると男性陣はすっかり囲炉裏のとりこである(笑)。なんか江戸時代に戻ったようなww。
次回は「風のトイレ」を作りたいとのことなので、この囲炉裏で料理できるとよいですね〜♬