朝7:00。囲炉裏暖炉に火をつける。今日はまず太薪をロストルに横たえてその上に小枝を組み、上から点火する方法で。これだと熾炭をたっぷり作ることができる。
実は先日の雑誌取材を機に火消し壺を陶器製のものに変えた。以前からあの金属製のものはこの囲炉裏暖炉には合わないな〜と思っていたのだが、ひょんなことから取材先の滋賀でこの蓋つきの壺を手んい入れたのだ。蓋のつまみには穴も空いていて、火箸で引っ掛けるにもちょうど良い。ただし接合が正確にぴったりではないのでアルミホイルですき間ふさぎを作ってある。
火が本調子になってきたら上に二又のねじれた太い薪などをのせて燃やしていく。このように全体に炙るように燃やしていくと、薪が燃え尽きる前に大きな熾炭ができる。その量はこの陶器製の火消し壺がたちまちいっぱいになってしまうほどのものだ(その炭は火鉢に使う)。
火を暖房にだけ利用していたんではもったいない。とくに囲炉裏の場合はそう感じるのである。右はいつもの湯沸かしとしてモダン南部鉄瓶。
そして隣は昆布と干し椎茸で出汁をとる。
出汁がとれたら根菜と厚揚げで煮物を作る。
これはほとんど知られていないことだが、囲炉裏の料理は「鍋」や「焼き物」ばかりじゃない。灰の上で熾炭で煮物をやると実に美味しくできるのだ。コトコト極弱火なのに、芯までふっくら、味もよく染みる。この、極弱火から保温まで・・・という加減が、薪ストーブではできない。
これは実際に「炎の囲炉裏」を使った人でないと発見できないだろう。炭の囲炉裏を最初から使っている人は、そもそも炭の囲炉裏はスペースが狭いので、中央の五徳とは別にサイドにもう一つの鍋を置くなんてことは考えたこともない。
ゆるやかに温度が下がることで、逆に短時間で完璧な煮物が完成する。縄文時代からずっと続いてきたこの灰と炭のマジック、優しい火の扱いが、忘れ去られようとしている。
昆布などを佃煮に煮るにも熾炭の蛍火は適している。
というわけで今日の夕食は・・・。
さあ全国のみんな、「本物の囲炉裏」を暮らしに取り戻せ❣️