囲炉裏作り3日目、今日はオプションで囲炉裏料理体験(持ち込み歓迎)という設定。僕は前夜、囲炉裏のある大広間で寝袋で寝てみた(皆は2階)。昨夜は遅くまで皆で囲炉裏端で話し込んでいたのだが、就寝前に僕は炭を灰の中に埋め込んでおいた。
朝一番に起き出して囲炉裏周りを箒で掃き出し、きれいになったところで家田夫妻登場。さっそく彼らに埋めた炭を掘り出す体験をやってもらったのである。
中から赤々とした大きめの炭が出てきたと同時に、温かさが立ち昇ってくることに二人は驚いた様子だった。昔はどこでも囲炉裏はこのように一年中火を消さずに使っていた。すると、炉の基礎や炉縁周りは蓄熱されて常に仄かに温かい。
寒い地方では、夏中囲炉裏を絶やさないことで家を乾かすと同時に、地面や建物に蓄熱することで冬はその熱が放熱されて、極寒の暮らしに役立っていた。とくに北海道のアイヌのチセ(笹拭きの掘っ立て小屋)では地面に直接炉をきることでその効果は高かったと言われる。
朝食を、さっそく囲炉裏を囲んで。まるで初めからそこにあったかのように馴染んでいる(笑)。
これを見て「もっと炉縁を広くすればいいのに」と感じた方もいると思うが、すると囲炉裏の炎から遠ざかり、操作性が悪くなり冬は寒い。だからせいぜい幅は10㎝以内がよく、高さも畳や板の間のツラから3~5㎝くらいがよい。
今回の囲炉裏は長方形にしているのだが、そのさい自在カギはセンターをずらしてを下ろすと余白ができるので、そこに五徳を置きもう一つの火を使うことができる。これでもかなりのスペースが余っている。そこで炭火焼きをやってもいいし、保温の鍋をおいてもいい。
炉縁は畳幅96㎝にぴったり取ると、炭使いの囲炉裏にはやや大きすぎるので片側角材1本分(赤矢印の部分)狭くしてある(すると座席が広くなるということもある)。まずこれで使ってみて、次回の「炎使い」の工事のとき調整すればいいと思う。
参加者が続々到着。みな2日の工事で突然の囲炉裏出現に驚くことしきり。今日だけ参加の人たちにスライドと完成までの工事写真を見せ、質疑応答の後さっそく調理に。
傍らには僕の著書や野村研究所の竹酢液などの販売コーナーが置かれて。
お餅を焼いて汁物に。
焼くのにもコツがある。炭の火力の強弱、網の種類やその高さの調整、餅を返すタイミングなどなど・・・。
囲炉裏でしかできない串立て焼き、そして灰に直接埋めて芋を蒸し焼きに。
灰が清浄ならアルミホイルはいらない(むしろアルミが毒)。やわらかく中はしっとりと焼けた。オーブンで焼くのとはまた違う味わい。だから囲炉裏では紙ゴミやタバコの吸い殻などは燃やさないように気をつける(ファイヤースターターはスギやマツの枯葉が良い)。
途中で竹の三又を作り、野外囲炉裏を作ってみた。自在カギは「空(そら)カギ」と呼ばれる形式で、木片とロープだけで作れる。ただしこのような庭園で火燃しをやるのはコケなどを傷めるので注意したい。
今回興味深かったのはは女性参加者が多く、彼女らが口々に囲炉裏を絶賛してくれたことである。炎を使う囲炉裏をあやつる女性イロリストの登場も遠くないことかもしれない。
さて3日目の今日、僕にはもう一つの目論見があった。それはまだ「煙抜き」はないのだけど、1回だけ炎の囲炉裏を皆に見せることである。家田くんに了解をとり、夕暮れてきた頃にもういちど掃き清めてから小枝を組んでいった。そして家田くんに点火してもらった。
炭の囲炉裏が静的なのに対し、炎の囲炉裏は動的でダイナミックである。そしてより温かく、明るい。この黄昏時と、明け方の囲炉裏はとくに美しい。周囲を掃き清めておくと、この美しさは一層際立ち感動的である。
ただし、薪の具合によってはかなり煙くなるので、それもしっかり味わってもらった。温かさに関してはもう少し炎を長く使って熾ができた頃でないと実感できないので残念だった。
火棚は間に合わなかったが「弁慶」はできた。弁慶の参考記事はこちら。
煙を気づかって「そろそろ消して炭に変えよう」と言った僕に「まだ薪でいいですよ」と家田くんが言うので、そのまま感想会に。
記念撮影❣️
HACHIYADOからイタル、リンダ嬢も駆けつける。
夕食は野菜の煮付けと蕎麦。
日記に書いていないけれど、今回、僕のベジ食を気づかってくれお弁当類も自然食系で充実したものばかりだった。またMさんご夫妻が大量の酵素玄米を持ち込んでくれ、皆で食べさせていただいた。ごちそうさまでした❣️
夕食の後、イタル君・リンダ嬢と囲炉裏暖炉ワークショップの打ち合わせ、その後やっちゃん宅で打ち上げ反省会。明日は大阪高槻の個人邸のファイヤープレイス造りを頼まれているので、まだ気が抜けない。
ともあれ家田ご夫妻、参加者・お手伝いの皆様、オーガナイズのやっちゃん、お疲れ様! 新しい囲炉裏ワークショップの舵がとれたね! 今後の展開が楽しみです❣️