男木島石積みws(2日目その1)


8時朝食、9時出発。現場まで男木島の石垣を観察・撮影しながら現場へ行く。ドリマの上の近く、けっこういい石積みなのだが、上部は長く廃屋でツタに全体が覆われている。

石垣の上にアートが建つ。

道に沿って緩やかな曲線を描く石垣。花崗岩の乳白色と玄武岩の黒のコントラスト。

島の玄武岩は山頂部に柱状節理があり、それが割れ落ちたものを船で運んで使われたという。出隅(コーナー)はは井桁組みになっており、ということはここだけ平積みになっている。

最近は空積みの石垣にモルタルで空隙を塞いでしまう傾向にある。小林さんによれば、この手の石垣がよく崩れているという。

8:50、作業開始。後続に瓦を運ぶグループも。

この本瓦を割るのは忍びないが、本土から石を運び込むことを考えると・・・。

8:50、本日の1〜2段目が積み上がる。丁張でツラを確認しながら、有志の参加者にも石をいじってもらうが、この段階ではひとつひとつ細かくチェックしなければならない。石を回しながら、3点にカチッと合う場所、ツラが丁張の面に合いながらも控えが地山に向かって下傾斜していること・・・を探すのだが、石を何度か回してもその谷に合わない場合は石を取り替えてもう一度やってみる。

石積みは頭で考えてもうまくいくものではない。偶然もあるのだが、無心のうちに石を探し、回しているうちに、石がキマるようになっていく。積み石として全体の条件がいいのに、正面から見て石同士の隙間がやや大きく見えるときがある。そのときは正面からそのすき間に合う小石をはめ込みハンマーで軽く叩いて入れていく。

積み上がるうちに地山との距離が広がっていき、裏込めの割り瓦が足りなくなるので残りは土を埋めていくのだが、今回は「大地の再生」的な処方として割り瓦と埋め土との界に有機物(枯れ草や刈り草)を入れた。

裏の土がなるべく積み石側に侵入しないようフィルターの役目を担うとともに、腐蝕して菌糸を発達させるのを期待してのことである。菌糸ができ、植物の根と関係性を持つと土の移動がより少なくなり石垣は雨に強くなる。空積みは空気がよく通るので還元化(無酸素状態)による有機ガスも出ない。

盛土の部分はよく踏み固める。

11:00、石が小さくなり、高さも積みやすくなってきたので、女性陣にも石を積んでもらう。

仮復旧の土留め矢板を取り外す。土の強弱が出ないように盛土の転圧を一定に。積みの参加者が多いと裏込めと盛土が追いつかなくなる。裏方では暑さのなか古瓦のリレーが必死で行われている。

12時にいったん切り上げて宿に戻り昼食。

リンダさんに食事当番としてドリマの上に待機してもらっていた。メニューはたっぷり野菜と小豆島放牧豚のカレー丼、ニンジン・ナッツ・柑橘の柿酢和え他。

ここでAKOちゃん登場! 僕は知らなかったけど、反原発運動家で自転車で紙芝居のお話会をしながら全国放浪している有名な方らしい。関西の参加者の方がお誘いしてくれた。

昼食後は少し昼寝をして夕刻の涼しい時間まで頑張ろう・・・ということだったので、その時間帯に少し原発のお話をしてもらった。僕は横になって半分眠りこけながら彼の話を聴いていた。

その2に続く。


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