考えてみれば山暮らしのときは(とくに前半の5年間)緑色片岩地層の杉の根元から湧出する天然水をタダで毎日飲んでいて、それを風呂にも使っていたのだから贅沢であった。また雪解けの水は「若返りの水」とも言われている。思えばあの山暮らしで健康で頑張れたのは、天然水のおかげが大きいかもしれない。
四国に引っ越してからは、水よりもお茶やコーヒーをよく飲んでいたが、お茶は水に比べ身体への吸収が悪く、カフェインがあると利尿作用でさらに水の吸収率が落ちるという(酒にも利尿作用がある)。また水は沸騰させることで活性を失い、溶存酸素が減る。水道水の場合は沸騰によるトリハロメタンの増加もある。
以前「食事を改めても飲み水を変えなければ効果は半減。体の約60%は水。どんなに健康に良い食事をしていたとしても、水が悪ければそれを台無しにしてしまう」という藤田紘一郎氏の文を紹介したが、そりゃそうだよな、うかつだった・・・。
だから生水を定期的に飲むことが大事なのだが、日本の水道水は世界トップクラスの塩素で水を消毒している。在日米軍の兵士は日本の水道水を絶対に飲まない・・・というのは有名な話である。塩素水が腸内細菌にいいわけがないので、浄水器をつけるのは必須である。が、この他にもミネラルウォーターを別に摂る、アルカリ性でミネラルを含む水である。
水に関しての情報はけっこう頭に入れていたのだが、その実践はここ十年おそろかにしていたというわけである。というわけで腸活をきっかけに今年からは水にしっかりこだわることにした。最初ペットボトルの水をわざわざ取り寄せて、それを定期的に飲むというのは抵抗があった。しかし調べてみると中には最初のお試し期間割引みたいのがあって、試しに注文して飲み始めたら、翌朝から身体の変化がフッと感じられたのだ。
いま水道水の原水である日本の表流水はかなり危険な状態になっている。メルトダウンしたフクイチの放射能はいまだにダダ漏れである。空中散布されているネオニコチノイド農薬、化学肥料・畜産排水、そして排気ガスによる硝酸性窒素や酸性雨。「大地の再生」取材で学んだのは日本中の土がグライ化(還元土壌)して腐敗していること。その他にもここに書けないような危険もある。そして塩素と有機物が結合してできるトリハロメタン。
それらを浄水器だけで濾過することは到底不可能なので、深い地下水から汲み上げたナチュラルミネラルウィーターを定期的に飲むことは、もはやごく普通の戦略となってしまった。この地球上で最も水に恵まれた国であったはずが、なんとも悲しいことだが・・・。腸内環境が良好なら免疫力も高まる。腸を傷つける水を飲んでいると免疫力は落ちていく。コロナ禍のいま、水にこだわるのも大切か。
藤田紘一郎氏の本によると、ミネラルウィーターは軟水と硬水を飲み分けるといいそうだ。具体的には体質改善のためのミネラル含有量の多い硬水は日中に飲み、軟水は朝夕に飲む。そうすると身体に負担がかからない。
コンビニでもナチュラルミネラルウォーターを買うことができる。ヨーロッパのものは概ね基準が厳しいので良質だそうだ。ヨーロッパは水の先進国で、特定水源から採水された地下水がほとんど。かつ殺菌など人の手を加えることが一切禁止されている。水源周囲の汚染を防ぐ保全活動や品質検査が徹底的に行われているので、殺菌の必要がないのだという。
一方、日本の農水省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では容器入りの飲料水を4つに分類(※)し、すべての水に対して沈殿・ろ過・加熱殺菌など、なんらかの方法で殺菌することが義務付けられている。
※【ミネラルウォーターの4分類】
1)ナチュラルウォーター・・・特定の水源から採水された地下水を原水とし。沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行っていないもの。
2)ナチュラルミネラルウォーター・・・1)のうち、ミネラルをもともと含む地下水源を原水としたもの。
3)ミネラルウォーター・・・2)のうち、品質を安定させるためにミネラルの調整や曝気、複数の2)の混合、紫外線やオゾンによる殺菌・除菌などの処理を行っているもの。
4)ボトルドウォーター・・・1)〜3)以外の飲料水(原水が地下水ではないもの)。処理方法に制限はなく、大幅な改変を加えることも可能。
おすすめは加熱殺菌していない「ナチュラルミネラルウォーター」である。
ただし水の飲みすぎにも注意♬