昨日、N先生から貰ってきた魚醤である。原料は瀬戸内産の魚イカナゴで、生のイカナゴと塩を3:1の割合で重ね、ときどき攪拌して1〜2年かけて発酵させる。イカナゴは瀬戸内の春を告げる魚として僕も大好きな小魚だが、近年不漁が続いている。
ニョクマムやナムプラーなど東南アジアに魚醤はたくさんある。日本にも秋田のしょっつる(原料:ハタハタ)、能登半島のいしる(原料:イワシやイカの内臓や頭、骨)など独特の魚醤がある。そして、わが香川県でも1950年代まではイカナゴで盛んに(一般家庭でも)作られており、前2品とともに「日本三大魚醤」と呼ばれていたのだった。
これを布などで漉して精製すると透明感のある醤油色の魚醤ができる。香川県は小豆島に大豆の醤油の一大産地があるので、昭和期に魚醤の生産は途絶えた(近年少量だが復活生産されている)。原液なのでどろりとして食べてみると骨カスなどが舌に当たるが、栄養価はこのほうが高いはず。
なめてみるとかなり強い旨味がある。生臭さはそれほど感じない。アンチョビを潰したようでもあり、佐賀の有明海の子がにから作られた塩辛「がん漬け」を彷彿とさせる。
これを原料にして中国調理用の魚醬(ユイジャン)を作ってみる。まずフライパンに酒を入れて煮きり、イカナゴ醤油を入れる。
油(常備菜のパプリカのマリネに使っていたアンチョビ風味の残り油+ごま油)を入れ、ニンニクとショウガのみじん切り、赤唐辛子を入れ、煮詰める。
仕上げに砂糖少々と山椒粉を入れる。
仕上がりはこんな感じ。
これを八宝菜の隠し味に使ってみた。かなり美味しい!
この中国魚醬ユイジャンはYouTube「脇屋友詞のYUJI CHANNEL」でアンチョビで作られていたものをアレンジしたものだ。「もやしとひき肉だけ!で作るソース焼きそば」や「野菜いっぱい上海焼きそば」で作り方が解説されている。
野菜は白菜、ニンジン、玉ねぎ、椎茸、それにラーメンに使った残りのメンマを入れた。昨日のヤリイカの残りと、ここでも小豆島の放牧豚がいい味を出している。
ユイジャンが半分残ったので明日はエビを入れて作ってみよう♬