シズの干物に感嘆する。瀬戸内小魚の仕込み


9/29に買ってピチットで干物にしていたシズを焼いて食べる。およそ2週間、ピチット+フードセーバーでチルド室に入れておいたものだ。いくら密閉とはいえ、冷蔵ではそろそろ限界である。これだけ水分が抜けているとビタクラフト鍋で簡単に焼ける。先に身を下にして並べて、蓋をして極弱火にかけるだけ。

焼けてくると身が自然に剥がれてくるので、返して皮目をちょっとだけ焼いて取り出す。これが、なんともすばらしい味で一切れ食べたて陶然となった。そして、また手が伸びてしまい、結局キッチンで立ったまま全部平らげてしまった!

最近、丸元淑生の本で読み漏れがあったことに気づき、図書館で借りた『丸元淑生のシンプル料理(2)』があるのだが、実はここにピチットによる自家製干物の作り方の最初の詳しい解説がある。

そして86ページにシズ(本では標準和名「いぼだい」と記述)の干物が、丸元本のなかで初めて登場するのだが、

いぼだいは。くらげを食べる魚で、びっくりするほど多量の粘液を出す。えぼだいともいい、関西、四国ではいぼせともいう。干物にして美味しく愛好者が多いけれども、自家製干物は芸術的な味になる。市販の干物を食べてきた人は感嘆されるにちがいない。

と書かれている。まさにその通り!

さらにブイヤベースやスチームド・フィッシュにする際には肋骨の部分は外して、そこは干物にまわしたほうがいいとか、鮮度のいい頭はすぐにストックをとり、そのとき粘液も重要な栄養素なので洗い流さないように・・・などと重要情報が載っていた。四国に住んでいる人は秋になるとスーパーでこのシズをよく見かけると思うが、このピチット干物を味を知らないでいるとしたら大きな大きな損失であると思う(というか、若い人は地魚などほとんど食べたことがないのではないか?)。

この本、山暮らし時代に図書館で借りて読んだかすかな記憶があるが、Amazonにまだ中古があるのでさっそくポチして購入した。

さて、魚に感嘆していたら午後になってN先生からGomyo倶楽部で収穫したコメの一部ができているので取りに来ないかとの連絡。Mくんの定置網魚がいろいろあるのでいっしょに、ということだった。

行ってみると他のメンバーも来ている。けっこうなサイズのハマチや、タコなどもいて、僕が仕分け前の解体や仕込みをやることになった。ついでに包丁の研ぎ方の指導をしてから帰宅。

獲物は・・・

小鯛。大きめのものは素焼きして三杯に。

小さいのはそのままぶつ切りでスープをとろうと思ったら、下でバロンの鳴き声がしたので3枚におろして刺身はバロンへ。残りをスープ。

他にウマヅラハギ、コノシロ、ニベ、アナゴ、アイゴなどを貰ってきた。

ウマヅラハギは鍋。

コノシロは酢締めにしてみた。初体験だったが、なんとも酢締めにして魔味のある魚だ。コハダやシンコが寿司好きの筆頭に挙げられるのが解るような気がする。ただしコノシロになると小骨が気になる。それで名前は出世魚なのに大きくなれば市場での短歌は安くなるのである。

伊賀焼の小鍋のはつおろしとなった。シメは島の光をにゅうめんで。

ハマチは塩をせずピチット+フードセーバーで保管。これは洋風に仕上げるか、ごま醤油でヅケにして茶漬けがいいのではないかと思う。

仕込み仕分けをしてふと気づくと8時が近い。今日はここまでにしよう。11時過ぎに就寝となった。


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