ジノリの皿、シズの干物、冬瓜スープ


キッチンでもう1つ気になっていた最後の場所が食器類の引き出しである。ここにはごちゃごちゃと、引っ越すときに慌てて揃えてしまった安っぽい陶器類、結局まったくといっていいほど使っていないもの。そして欠けや割れが入ったものなどが、取り出しにくい詰め込み方で入っている。中には捨てるのが惜しくて接着剤で補修したものや、縁がちょっとだけ欠けただけのもある。それらを思い切って全部捨てることにした。

そして新しい白磁の食器のセットを買った。ジノリの皿である。これまで洋食器には興味がなく、ほとんど100円ショップの安物などを適当に使っていた。が、縁が欠けて今回捨てた皿は洋食器が多いので、新たな皿がいる。いい機会なのできちんとしたものを買ってみようと思った。

リチャード・ジノリ(Richard Ginori)はイタリアを代表する陶磁器メーカーで、その歴史は古く1700年代にフィレンツェで誕生した。丸元淑生も自分の料理書の写真にジノリをよく使っている。とくにナス型の25cmピクルス皿は「いいなあ」と思っていた。

ナス型のジノリに盛られた「じんた(小アジ)の唐揚げ」/『丸元淑生のからだにやさしい料理ブック・ファミリー料理』より

さてジノリ、高松でどこで売っているだろうか? とググって見たが、結局三越にしか置いていないようだった。5階の食器売り場に行くとロイヤルコペンハーゲンやマイセンと同格の扱いになっていてビビったが(笑)、ちょうどギフトコレクションの最後の残りワンセットが展示中。どう考えてもお買い得値段だったので写真の6枚セットで購入。

なかでもこの菱形でやや深めの小皿は、ネットでも見たことがないのでお値打ちだったかも?

引き出しの底も全部掃除して新たにジノリが入る。ああスッキリした。この感覚のすっきり感、晴れ晴れとした高揚感は何なのだろうか?

1週間ほど前にピチットとフードセーバーで干物にしておいたシズを取り出してみる。赤札品だったのでちょっと臭っていたが、駄目元で仕込んでみたのだ。フードセーバーのおかげか生臭さはほとんど消えていた。

ピチットがこれだけの水分を吸い出してくれる。

ビタクラフトで焼いてみる。皮側を上にして蓋をして弱火にかける。

片側が焼けてくると自然にはがれやすくなっている。皮目をちょっと焼いてできあがり。

先日、ちろりん村でみつけた小さめのトウガン。

基本の出汁でスープ(含め煮)にする。

シズの干物は干し過ぎの感があったが十分美味しく食べれた。シズは繊細な旨味を持つ魚だ。もっと大きめの鮮度のよい魚が入手できれば、最高級の干物がつくれるはずである。

今日は生タコが安く出ていたので浅く茹でて酢洗いして食べる。

あとは2分づきの米にごま塩。そして自家製ぬか漬け。もう完全なるフィッシュベジタリアンですねw。

トウガンは漢字で「冬瓜」と書くが、露地栽培の高温作物で夏から秋にしか出回らない。冬瓜はインド原産で、アメリカにも渡ったが洋食と合わなかったのかほとんど普及しなかったそうだ。だから栄養学の研究が最も進んでいるアメリカでも冬瓜の分析は進んでいないという。

が、中国の薬膳で重宝され、長寿国の沖縄では暑い季節の健康維持に盛んに食べられている。確かに冬瓜のスープは滋味があって胃にしみわたる感じがする。僕の場合年に一二度は食べたくなるが、ベジ系に傾いた今ではよりいっそう大事な食材になったのであった。


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