高松郊外にはサンフラワーとレインボーと名付けられた大通りがあって、郊外店が並んでいる。昔は畑と田んぼばかりだった風なのだが、新興住宅地がかなり浸食している。でもため池が点在するし、鹿の井出水(しかのいですい)という湧水のある公園なんかもあったりして農の気配はまだ色濃いのである。
鹿の井出水の近くにあるのが「馬渕手打製麺所」だ。のれんには「農林大臣賞受賞」の文字。ふつうの店なら閑古鳥が鳴く立地だと思うけど、昼時はいつも満員で、駐車場待ちもあったりする。
ドン・ドン・ドン・と店内にうどん打ちの音がしているのも特徴だ。麺棒でうどんのしをするときに叩きつける音なのだが、まるで太鼓でも叩いているのか? というような音が、店の外にまで響いている。
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実は先日「すいません。しっぽくは終わりました」と肩すかしを食わされた。しっぽくは冬だけのメニューだが、仕込み量が決まっているので、どの店でも昼のラッシュ時に終了してしまうことが多いのだ。
今日は間に合った。
この店は、うどんの玉数を申請し、会計後に自分で湯がきと出汁を入れる完全セルフスタイルだが、しっぽくは注文後番号札をもらい、席について待つ。
5分後、お兄さんが私たちのところまで運んできてくれた。金時にんじんが鮮やかな、ビジュアル美しいしっぽくだった(写真は2玉です)。
カウンターまで持ってきてもらったのはいいが、やはりネギや生姜などの薬味は欲しいのでまたお盆に載せてそこまで調達しに席を立つわけである。
うどんはわりと細いです。表面は滑らか。つるつる。
ここのしっぽくは鶏肉。それも親鳥の硬いやつを煮込んでやわらかくしている。前回の中西と同じだ。かけに使うのと同じ出汁をベースにしているんだろうから、そこに鶏の旨味が出、野菜の甘みとあいまって、その豊潤さはすばらしい。
カウンターから店を様子を観察しながら食べていたが、しっぽくの注文度数はかなり多い。私たちが食べ始めて10分もしないうちに、「しっぽく終わりました~」の声。13時前に完売となったである。
この「何玉食べますか?」っていいよなぁ。でも7玉って、いったい・・・。