仕込みから9日目。今日からアイスバイン用骨つき肉の塩抜きをする。
取り出して洗った肉塊。これは僕が持っている一番大きなボールである。シンクに入れて引いて撮影してみた。そのスケールが分かるだろうか?
塩抜きの方法はいろいろあってボールに入れたまま流水をかけるというのもあるが、今回は香味野菜を煮た液(塩気なし)に2〜3日漬け込んで塩抜きするという方法をとる。昨日煮ておいた液。ニンジンにクローブを刺し、ニンニク、タマネギ、セロリ、パセリの茎、ローリエ、セージなどが入っている。
この液をシップロックに入れ、そこに洗って水気をふきとった肉塊を再び漬け込む。
これを冷蔵庫へ。2〜3日で取り出して、また新たな香味野菜やハーブとともに3時間煮たら完成だ。材料は安いが手間はかかる。
昼は試しに脱気冷凍保存しておいたかき揚げ天を解凍して天玉蕎麦をやってみる。解凍が待ちきれず出し汁で煮てしまったらグズグズになって食べづらいコトw。
夜はコンニャクと白菜が余っていたのでけんちん汁を作った。出汁は昨日の煮干粉をさっそく使ってみる。しかし汁を入れるその前に、野菜たちをオリーブオイルでじっくり炒めるのだ。
水戸の実家でも母はゴマ油で根菜類を炒めてからけんちん汁を作っていた。そして最初から味付けして煮てしまうのがコツと教わった。辰巳芳子の『スープ日乗』(文藝春秋2016)にはイタリアで学んだミネストローネの作り方からヒントを得た「蒸らし炒め」の手順からけんちん汁づくりの解説が始まる。
以下、辰巳流で。最初にアク抜きしたゴボウ、次いでニンジン、コンニャク、ダイコン、椎茸の順に「蒸らし炒め」をしていく。
サトイモを入れる場合は乱切りにして、炒めずに汁が入って塩気が追加されたところでそのまま入れる(こうするとぬめりが出ない)。大根に火が通ったところで油揚げを。煮干出汁は最初ひたひたに入れて、塩と薄口醤油をさしたところでサトイモ。サトイモに火が通ったら、水切りしておいた木綿豆腐を手でちぎりながら入れていく。
「いいなあ、宝石みなたいな食べ物ですね」
と辰巳芳子は自身の料理教室でつぶやくのであるが、素材と作り方次第では「けんちん汁」は(野菜だけなのに、いや野菜だけだからこそ)そのような滋味あふれるすばらしい料理になるのである。素材は違えどその一端を感じさせるけんちん汁に唸ってしまった。
昨日の餃子の残りを冷凍しておいたのだが、今日はテフロンのフライパンで焼いたので失敗なし。左上のエビは醤油と酒と生姜で佃煮にしたもの。エビは足が早いので食べきれない分はこうして火を通してしまう。これをお茶漬けにして食べても美味しい。
自家製ラー油も残りわずかとなった。