畑のダンチサクランボが開花。この木、引越しの年に植えたものだ。昨年はけっこう実がついた。もう一本同じ木があるが、大きくなるのは早いのにまだ咲いていない。暖地サクランボというのは園芸名称で和名はダンチオウトウ(漢字表記:支那実桜)というらしい。
一般のサクランボは欧州系で寒地に適応し開花時期は遅いが、こちらは東亜(中国)系で寒さに弱く、酸味が強いので果実としての商品価値も低い。むしろ花を観賞する意味合いが強いのだ。でもこの木のサクランボはけっこう美味しくて気に入っているけどね。
たしかに花は可憐で、ソメイヨシノとまではいかないが、葉が出る前に咲くので大きくなればさぞかし花見気分にでもなれそうである。匂いも良く、ミツバチが多数訪れている。
確定申告の書類整理が始まって外に出にくくなってきた。ブランチは乾麺を茹でてお家蕎麦。冷たいもりそばに熱い出汁で食べる。イカ天を揚げたときの天かすを真空パックで冷蔵しておいた。それを開封してつゆに浮かせ、ネギと七味を薬味に。
完食したらつゆを残しておき・・・
そこに蕎麦湯を入れて味わう。乾麺でもいいやつは蕎麦湯ができる。上澄みを捨てて底にドロリと残っている濃厚な蕎麦湯を抽出して賞味するのだ。
夕刻は前日から水に浸しておいた金時豆を煮て豆のダラダを作る。Gomyo倶楽部の料理で買った材料のパセリがたくさん余っているのでそれをたっぷり使う。パセリは東かがわ市の【大内パセリ】(「おうち」と読む。50年前、大内町だった頃から種採りして作っていたことから)は西日本ではトップクラスのブランド。
そしてこの金時豆は五名地区に新たにできた直売所レストラン「ふるさとの家」で購入したものだ。つまり香川産である。ちょっと小粒で戻してもさほど大きくならない。が、味はいい。少し残して家の畑にまいてみようかな。
カリフラワーもトマトもまだ余っているので野菜カレーを作ることにした。豆ついでに乾物の収蔵ボックスをがさごそやっていたらスプリットピー(皮なし乾燥えんどう豆)が出てきたので、それも別鍋でやわらかく煮て合わせることにする。
さて、カリフラワーのカレーのスタートは、すりおろしたタマネギを炒めることから始める。それにニンニクとショウガのみじん切り、ターメリックとクミン、カイエンペッパーを入れて蓋をして炒め煮する。
ジヤガイモ(メークインが煮崩れせず良い)、ニンジン、トマトを入れて、トマトが煮崩れてきたら煮ておいたスプリットピーを汁ごと入れる。スプリットピーは水から20分ほどで煮えるので思い立ったときすぐ使える便利な豆だ。でも、この豆ふつうのスーパーじゃ売っていない(三越地下「富澤商店」にある)。
ニンジンに火が通ったら塩で味をととのえ、やや小さめに切ったカリフラワーを入れて、茎に透明感が出てきたところでレモン汁を加え、火を止める。カリフラワー加熱しすぎないのがポイント(入れたら蓋をして強火で2分くらい)。
カレーという名称だけどいわゆるカレー粉は使わない。が、ターメリックとカイエンペッパーは必須。クミンのほかコリアンダーやガラムマサラでもよく合う。タマネギやトマト感は消え去ってほとんど感じないのだがなんとも渾然としたすばらしい野菜カレーができる。出来立てもいいが、冷えたのをそのまま食べても美味しい。
これは丸元淑生レシピの、
・カリフラワーと玉ねぎのインド風/『丸元淑生のクックブック』(P.236)
・カリフラワーのカレー/『よい食事のヒント』(P.26)
・カリフラワーのトマトソース/『ヘルシー・クッキング 春冬篇』(P.20)
などを応用したものだ。「カリフラワーのトマトソース」の中で丸元淑生は
カリフラワーの加熱はこれで適切なのでリヒートは避ける。この加熱だとカリフラワー自体に十分味があり、外から味をもらう必要がない。だから、このソースはカリフラワーに味を与えるものではなく、カリフラワーの味と響きあっておいしくするものなのだ。
と書いている。まさにその通りでこれは自分で作ってみればわかる。丸元淑生の豆料理やスパイシーな野菜料理は海外のレシピ本に拠っているものが多いが、その黄金律に驚かされることがしばしばある。『丸元淑生のクックブック』(単行本・初版1987)の巻末には、参考資料として洋書レシピ本のリストが載っていて興味深い。