本降りの雨のなか、矢野さんは早朝からアペルイのスタッフに「風の草刈り」を指導する。
そして田中さんの車に案内されて大崩壊地近くの小沢から本流に降りる。
陰鬱な沢だった。
雨は降り続き、小沢が合流するとすでに渡渉不可能なほどの水量になっている。そこに森林軌道(トロッコ道)の跡が現れた。
その軌道は放置されているが故に、詰まりを生み出している。矢野さんがさっそく泥詰まりを見つけ、水脈を通す。
明るい沢に近づいてみると、左岸に真新しい角ばった大石が累々と積まれているのだった。
そして右岸には流されてきた木(皮が剥がれている)が引っかかり、立木には石が当たったと思われる傷、そして真新しい花崗岩質の砂。
ここでティータイム。
沢に降りて下流を眺めたところ。
この真新しい石たちは上流の崩壊地から流れてきた岩屑にちがいなく、上流を目指してみる。
しかし、こんなハードな沢登りになるならウェーディングシューズを持って来るべきだった(笑)。
小滝を直登する。
田中さんが写真を撮ってくれた。
GPSで現在地を確認する。
すごい大石が転がっている。きわどいトラバースで・・・
再び河原に降りると・・・
奥に、崩れてきた石群が右岸の岸壁に突き当たったような跡が。
その場所まで高巻きをして進んでみると、遂に崩壊地の細滝が現れた。岸壁は大きく剥離して真新しい岩肌が覗いている。
この岩も凄い。まるでバベルの塔のようだ。
この高度感とスケール感が解るだろうか。
帰りは尾根道を藪漕ぎして・・・
無事、車道に出る。アブラギリの花が出迎えてくれた。
車まで戻る途中、にわかに霧が晴れて、大崩壊地と沢に続く流れ跡が見え始める。なんだか神がかった沢旅だった。
アペルイに戻ると矢野さんは、着替えることもなく草刈りと水脈メンテの実演指導を始める。最終便の飛行機に間に合うぎりぎりまでそれを続け、田中さんの運転するバンに私も乗り込んで、矢野さんと打ち合わせしながら空港まで見送る。
私はアペルイにもう一泊して明日の昼の飛行機で伊丹空港へ飛ぶ。
夜は田中さんと積もる話を深夜まで。これまであまりお互いを話すことがなかったが、この沢旅で一気に打ち解けた気がした。やはり冒険はいいものである。
※技術記事を別書きして「大地の再生HP」に掲載しています。>こちら
怖い沢探検ですね
矢野さんには、最高の雨の中での 探検でしたでしょう(≧∇≦)
お疲れ様です^_^
ガイドの田中さんも矢野さんにぐいぐい引っ張られる感じでしたからね(笑)。
虎穴に入らずんば虎子を得ず
ここからまた新しい屋久島が始まります。