屋久島・2日目/アペルイ〜ヤクスギランド(その2)


ヤクスギランドに入る。川は透明で土砂の堆積も見当たらず、先日の豪雨被害の影響はまったく感じられない。

しかし枝道に入ると詰まりが感じられる場所が次々に現れ、有機ガスによって枯れかかった小枝が見える。

登山道のメンテにも問題がある。道は水流を分断し、また合流させて道そのものが川になることがある。それが道を削り、また泥だまりを作る。

崩壊地が現れる。やはり土質はどこも同じである。

花崗岩砂が露わになった崩壊地に雨が降り、土だけが流され削られて、小石だけが浮き上がる。不思議な現象だが、なぜこんな塔になっても石がずり落ちないのかといえば、土柱に浸透水が常に下側に流れているために、石が吸いつけられているためなのだ。仮に下に水止めを作って、土柱に水を飽和させたら、石はたちまち崩れ落ちる。いま全国で起きている土砂崩壊の原理はこれに近い。屋久島の場合コアストーンがあるせいで、それが顕著に発現するのだ。

登山道の踏み板が流れを塞いでいる例。

それでも沢に出ると流れの感じはすばらしく良い。

太忠岳への登りに入ると、樹木と空間が荘厳な感じになる。しかし時間切れで頂上まで行くのは止め、途中でUターンして車道へ戻る。

帰りは別ルートを通って最初の崩壊地の上部が観察できた。

コアストーンのスケール感が解るだろうか。

帰り際、工事車両で観察できなかった崩壊地。強力な土留めがなされている場所だったのだ。

今回の豪雨で最も大きな崩壊が起きた尾立岳の山腹斜面。明日はこの原因を探りに沢筋に降りてみる。

地形図を探しに屋久島の新庁舎へ行ってみた。

中は地元の杉材で造られており、フレームが樹木のようで面白かった。

しかし、地形図はなく、建設課にも回ってみたが河川の堰堤の状況がわかる地図なども手に入れることはできなかった。

※技術記事を別書きして「大地の再生HP」に掲載しています。こちら


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