屋久島・4日目/炎の囲炉裏と新茶の土産


朝、アペルイ田中さんの塩づくりの現場や、廊下の漆喰塗りなどを見学させてもらい、ガイドのHさんが今度借りるという家を見に行き、色々とアドバイスする。家の前には御神木のアコウの木があり、それが弱ってるのがHさんは気にしている。屋久島の昔の葬儀の風習の残る重要な木だということだった。

その後、僕の本の読者で、『山で暮らす 愉しみと基本の技術』を頼りに伐採から家づくり、そして囲炉裏まで作って暮らしているというNさんの家に招待され、飛行機に乗るまでの間、昼ごはんをご馳走になるのであった。

やや小型ながら、実践の歴史を感じさせる使いやすそうな囲炉裏であった。自在鉤も竹と木を使った手作りの物だ。木工作家なので木の加工はお手のものなのだろう。

かまちには太めの鉄筋が2本渡されており、中古で買ったという大阪のイカ焼き器が乗せられている。

それでアジョワン入りのチャパティを作ってくれた。柔らかい生地を挟むようにして焼き、焼き上げたものをナイフで中央から2枚に割いている。これがなかなか美味しい。

次いで豆のカレーとお米。付け合わせは切り干し大根と人参の酢の物。

ムング豆のカレーもなかなかの味だった。そしてヤクシカのボイルの囲炉裏焼き。

デザートは黒糖の蒸しパンなどなど・・・、とても囲炉裏端の料理とは思えない完成度♬ ごちそうさまでした!

本にサインを入れ、ムビラ奏者でもあるHさんの演奏を聴く。なんという贅沢な時間・・・。

外の建物群を案内してもらう。笹拭きの屋根の上にはタマシダが自生している。この棟は手作りの緩速ろ過装置が入っている。

工房の中にも入れてもらった。もっとも神聖で厳かな雰囲気が漂っていた。Nさんは屋久島に来て陶芸家の家に2年間居候をし、この土地を購入して3年間でここまできたそうだ。

「大内さんの本がなければできませんでしたね、まさにぼくにとってバイブルです」

というわけで、母屋で本を手に僕と記念写真を撮り、その写真は手書きの通信「イロリンネ通信」第3号に使われるそうだ。

アペルイの田中さんに聞いた話だが、昔の屋久島の家にはどこでも囲炉裏があったという(山尾三省のアトリエも炎の囲炉裏があった)。囲炉裏は寒い地方のものだけではない。雨の多い屋久島では、炎の囲炉裏が家空間を乾かし虫除けにも不可欠だったのだ。

帰りは大阪へ飛ぶ。

伊丹空港が近づいて古墳群が見えた。

今回のお土産。屋久島のオーガニック新茶を買った。


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