大地の再生@仙台秀明/街の大樹を移植する3-1


仙台3日目。早朝、移植現場へ。今日は移植前にこのプレハブを半分に切断して移送する(そうしないと大きすぎてトラックに積み込めない)。秀明の移植現場でこれを収納庫などに使う予定。

このプレハブはお隣の敷地にかなり迫っているのだが、その間にスギの木が挟まれるようにして立っている。これも諦めずに移植しようというのである。

矢野さんは前日すでに根元を掘り始めていた。

この移植のために根元を掘り進む作業は、土を掘り出すには効率的にはバケットのほうが早いが、根元をほぐしながら、空気を根周りに送り込むにはブレーカーの先を突き刺すように使っていくのがよい。

今朝、矢野さんが高木移植の掘り取りの概略図を描いて見せてくれた。周囲にまず深い穴を開け、そこに根周りのほぐした土を落とし込むように作業していく。側根を切りながら根鉢をまとめ、掘り出していくにはブレーカーが適するのである。

指示が終わると、矢野さんのグループは移植現場へ。昨日の大物マツが道に横たわっていた。

根元には別の広葉樹が2本寄り添っている。

折れた(折った)枝の治療部。

矢野さんたちの打ち合わせの間、敷地の状況観察をすることに。これが幹を180度回転させて植えた臥龍松。

茶室の前の小さなエドヒガンがほころびを見せる。

茶庭も水が落ち着いて・・・

緑がすっかり定着している。これをブロック擁壁と建物の窪地に、まったくのゼロから造成したとは、ちょっと信じられないような完成度である。

自然石の水鉢もすっかり馴染んでおり、周囲に植えられた小木たちも日陰なのに枯れる様子はない。地下のコルゲート管が有効に作用しているのだろう。

池の石にはすでに苔着きのきざしが見える。

いよいよ移植作業開始。移植根穴の最終掘り。

スリングを所定の位置に付け替える。

今日はラフタークレーンがそれぞれの現場に一台ずつ入っている。オペレーターはそれぞれに個性があって呼吸を合わせねばならない。

根穴の外周はやや深く掘り、空気通しが良いようにしておく。そして炭をまく。

吊り上げ開始。

手動調整用のロープは必ず着ける。

徐々に親と子のフックを調整させ、立て吊りに移行する。

穴の上に。

矢野さんの指示によって手動ロープを引き、枝の出方向を決める。

道、電線、民家に接近する場所だけに、方向と角度は重要である。

一度置いてみたものの、穴底の形が根鉢の底の形に少し合っておらず・・・

いったん引き上げてもらう。

宙吊りのまま修正作業に入る。

バックホーで土を移動する。このときはバケットのほうが細かい作業に有利だ。

円周の掘り直し修正。

再び穴に収めてみる。

(続く)


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