最近、香川産の天然のマダイを2度ほど買って料理してみたが、それほど美味しいとは思えなかった。そしてワタとウロコが生臭く、辟易させられた。魚の型が小さいというのものあり、旬を過ぎていることもあるのだろうけど(そして私の包丁さばきが下手というのもあり)。
「鯛は産地と時期によって味がまったくちがう難しい魚である」・・・と、かの北大路魯山人も書いている。天然だから美味いというわけではないのだね。
でも、まずい魚でも、骨と頭まわりだけは美味いものだ。
だからこのような小ぶりのマダイは、塩焼きか煮魚にして、骨まわりのゼラチン質をしゃぶるような食べ方がいちばんいいのかもしれない。
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というわけで昨日残ってしまった身と中落。これで魚のスープをとってリゾットにしてみよう。
頭は半割に。刺身に引いた皮も使う。身のいい部分と冷凍アサリをリゾットの具に。
スパイスは昔使って残しておいたサフラン、ローリエ(月桂樹の葉)、ホールのままの胡椒、白ワイン(飲んでるw)。
鯛の頭と中落ちは湯洗いして水で流しながら血合いや細かいウロコをきれいに取っておく。
香味野菜を入れて水から煮る。
沸騰したらアクを取って弱火。スープとりの基本ですな。
頭の肉はもったいないので途中で取り出して肉だけよりわけておく。
30分も煮ればいい出汁がとれる。骨や香味野菜をザルでこして・・・
鍋に戻しながらボールの底に残る沈殿物をとる。これがいわゆる「フュメ・ド・ポワソン 」というやつですな。
スープ鍋を火にかけながら、フライパンでタマネギのみじん切りとローリエを炒める。油はオリーブオイルだ。おっと、ここでカップにひとつまみのサフラン、それに熱いスープを入れて発色させておこう。
生米(白米)を洗わずに入れ、米が透き通るまで炒める。
白ワインを入れ、アルコールが飛んだら熱いスープをひたひたに入れる。
米をつぶさないようにやさしくかき混ぜながら弱火。スープが減ったら足してふたをして、ときどき揺すって返して、というのを繰り返す。途中でサフランも投入。底にくっつきやすいのでテフロンがいいかも(私のは鉄パンで30年以上愛用している)。
だいたい30分くらいで米が、「ちょっと芯があるけどアルファ化はしている」という状態になるので、バットにとっておく。
リゾットの具。新たにタマネギとブラウンマッシュルーム。ニンジンはスープのとき使ったやつをサイコロに切る。鯛の身はちょっと塩をしておく。
オリーブオイルで炒めて白ワイン。米を戻して塩コショウ。ふたをしてちょっとお焦げができるように極弱火で加熱してできあがり。
パセリをふる。
魚臭さはぜんぜんない。サフランの香りがなんとも合う、そして複雑な深い旨味が味わえる。いわば洋風鯛飯だな。栄養価は高いだろう。
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翌日、少し余ったリゾットを小さなフライパンに載せピザ用のチーズをのせガスのグリルの中へ。
焦げ目がついたら取り出して、スギ板にのせて、このまま食卓へ。
うーん、やっぱりこれが一番おいしいかも・・・。
(パエリア鍋ほしい・・・w)