翌朝、早朝の現場にて。敷地の真ん中に残されたシンボルツリーのサクラ。周囲を毎日のように重機に踏みしだかれ、気息奄々に見える。「これ、大丈夫なのですか?」という私の問いに「なんとかなるでしょう・・・」と矢野さん。
建物周りに伐採をまぬがれた木々が立つ。
ふと、外周を観察してみると、ノコンギクやシュロなど、里山の植生が残っている。
この植物たちの「記憶」を、これからこの地にもういちど再構築していくのである。その矢野さんの手腕を見届けてみたい。
RCと木造の混構造、屋根はいまどきのガル鋼だが、優美にまとまっている。手前に飛び出した部屋は茶室である。
その高台から奥羽山脈が見えるのである。この茶室で使われるであろう井戸水は、あの山々の水脈とつながっているはずである。
建物を下から見る。
仮設道の両側にはフキが自生している。さすが仙台と言うべきか。
矢野さんが重機を動かし始める。
芝張りのためではなく、U字溝があるので少し土を起こして空気入れをしているとのこと。
昨日の芝張り境界部分。
丸太の石垣。
アオキの復活芽吹き。
勾配定規で角度をみて修正を加える。
そこに張り芝。
矢野さんはこの地の「大地の再生」視点で最も重要と思われる場所に手を入れる。
グライ土壌化を解消するために深掘りして炭や枝などの有機物をたっぷり入れた斜面の最下部。そこは空気抜きの空間がなければいけないのだが、作業ミスで普通の埋戻しがされていたようなのだ。そこで、もういちど土を掘り起こし、空隙をあけて炭をまき、その上に張り芝をする。
次いで上部の法面の張り芝の準備に取り掛かった。
ブレーカで土をほぐして、
図面の傾斜に合わせて整地し、芝を張る。
皆とともに昼食を、と誘われたが、明日はGomyo倶楽部の稲刈りイベントがあるので早めに引き上げることにする。台原の駅までHさんに送ってもらい、仙台から新幹線でひとまず東京へ。
「はやぶさ」だと大宮までノンストップ、東京駅 – 仙台駅間がなんと1時間30分だ。早い! 指定席が取れずに立ち席だったのだけど、1時間30分なら平気だ。
車窓から思い出の福島や栃木が明滅する。
車内販売のストッカーに懐かしの「ほやの燻製」を発見! 購入して立ち飲みすることに(笑)。
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一般社団法人 「大地の再生 結の杜づくり」ではこの時期に「大地の再生講座@仙台秀明」として一般参加を受け入れている。私も11月上旬にまた足を運ぶつもりである。この歴史に残る再生の現場に、皆さまもぜひご参加くださいませ。
▼日時
10月25日~11月10日 ※毎日実施、8:30〜18:00頃。
▼場所
宮城県仙台市宮城野区安養寺1-6の付近
神慈秀明会・新仙台出張所
http://ur2.link/MKLe
▼内容
地中における空気と水の循環を促す作業
水脈整備(自然起伏勾配の造成整地含む)
有機舗装仕上(炭チップ砕石、有機アスファルト、芝目地枕木他)
茶庭(池、流れ、石積み、井戸活用含む)
樹木の移植、植栽仕上、垣根づくり
植物の根を育てる道づくり
生態系を育む土木建築工法の実践
生態系を活用した総合的な環境デザインの実践
▼参加費:
無料 ※定員30名
▼持ち物
作業のできる長袖·長ズボン、長靴、雨具
タオル、飲み物、ノコがま、移植ごて
※宿泊場所はよろしければこちらでご紹介いたします。
▼お申込み
下記①〜④を明記の上、daichisaisei@gmail.com まで
メールにてお申し込み下さい。
①お名前
②参加講座(仙台秀明と記入お願いします)
③参加日(1日でも数日でも大丈夫です)
④ご住所・当日連絡の取れる連絡先)
⑤交通手段(バス、車、徒歩)
▼フェイスブック
https://www.facebook.com/events/169799220625862/?notif_t=plan_user_invited¬if_id=1540222178701241