男木島周遊、古民家修復完成


Tは釣りが目的で毎年今頃やって来るのだが、今回は島にも渡ってみたいという。一福でうどんを食べた後、昼の船で男木島を案内することに。

小林さんからちょくちょく情報を受けていたが、古民家の再生はとりあえず道側の危険だった棟は完成したようで、それを見るのも楽しみだった。

まず途中にあるカフェでお茶を飲むことに。いつも素通りなので私は初めて入る。

昨年オープンしたベーカリーカフェ「ダモンテ商会」。男木島に移住したご夫妻が自ら古民家を改装したという建物だ。

2階に案内される。

天窓を抜いていて明るい。

私はアイスチャイを。カルダモンが効いていて美味しかった♬ ベーカリーカフェをうたうだけあって本格的なカントリーブレッドがレジ奥に並んでいた。

もう一軒新しい店が登場したようだ。

さて、「ドリマの上」に到着。日曜日なので忙しいのかなと思ったら、台風でキャンセルが出たとかで、小林さんがいろいろ案内してくれた。まずはクラウドファンディングしていた古民家再生の建物が完成していた。建具が派手! だが、無垢のヒノキなのでやがて銀色になり落ち着いた風合いを見せるだろう。

内部、小林さんは昔ながらの土壁で再生したかったようだが、大工さんたちに押し切られてヒノキ板の壁に。

ヒノキなので節があってもスギほどうるさくはない。床もヒノキ。アカマツの梁はそのまま残されて、それをヒノキ柱が支える構造になっている。

曲がり梁に合わせて壁板を納めるのはけっこう大変だったはず。

軒の出とコンクリートの間が便利そうである。

それにしても・・・、見違えましたね!

なにしろビフォーは↓コレでしたからね(今年1月撮影)。

外側からの景観。

ビフォーはこんな感じだった(「頭上注意」の看板あり)

サッシはペアガラスが入って、外壁は焼杉。

これで観光客も安心して歩ける。

さらに反対側の納屋も改装が進んでいて驚いた。海側の壁を取り去って1間ほどセットバックし、板壁に打ち直したのだ。新たに瓦が載っている。

大風が吹くたびドリマに落ちていた瓦の恐怖からもこれで解放され・・・。

なにせビフォーは↓こうだった(!)。

Tを灯台まで案内する。小林さんも付き合ってくれることになった。今日の気候はほとんど夏! 皆、半袖。Tも私も半ズボンだ。

おっと、その前に再生石垣前で記念写真。すべてはこの石垣から始まったのだ。最初、私もよく知るデザイン力のある設計家が、このプロジェクトに関わる予定だった。彼の事務所に呼ばれて石垣再生のイベントを持ちかけられ、私はそのとき初めて小林さんに会ったのだ。

ところが、その設計家は解体の予算が合わずプロジェクトから撤退してしまった。また、関わるなら全て解体してから新たな建築を作る・・・というその設計家の意向に小林さんは同調できなかったようだ。

というわけで、彼が撤退した後に石垣再生のイベントだけは残った。私のプレッシャーも相当なものだった。果たして私以外は皆ずぶの素人・・・というメンツでできるのか? ところが、やってみたらできてしまったのだ。

積む前の最初の段取り(これが実は大変重要)の通りに、皆がテキパキと動いてくれたこともある。島の人の熱意、外部からの参加者にも助けられた。何より主催者の小林さん自身が石垣積みの面白さをイベント中に感得したことも大きい。そうして残りの石積みを、島の人たちだけで仕上げてしまったのである。

結局、古民家再生のほうは彼女と長い付き合いのある宮大工のチームが引き受けることになる。石場建て、土壁・・・という伝統工法に徹底して戻るという意向は却下されたが、この困難な条件を引き受けてやり遂げてくれたことだけでも万々歳だろう。

灯台の奥の岩場に岩牡蠣が付いている。ひとつ割って試食。濃厚だ!

帰り道、「じょうこカフェ」を開けてもらう。

海を眺めながらイタドリジュースとコーヒーをご馳走になる。

Tはすっかり男木島が気に入った様子で、「次回は釣竿持ってキャンプしましょう!」などと言っている。私も、いつか男木島でのんびり釣りができたら・・・と思っていた。いや、瀬戸内の島に拠点を持つことは、高松に移住してからずっと思い描いていた夢でもあったのだ。しかし、まだまだ危ない空き家がたくさんある。プロジェクトは始まったばかりだ。

男木島クラウドファンディング・レポート

ポポーやアケビなど島のお土産をいただいて、最終のフェリーで高松に戻る。夜はTの歓迎会ということで、いつも丸亀の「一鶴 」へ。

明日は工務店の社長HとTは早朝から白鳥でシーバス狙いの釣り。私はGomyo倶楽部の定例活動日。その足で二人がGomyoに参加するというのでピザ窯を焚くことにする。

というわけで、私も一緒に起床して初のピザ生地練り仕込みをするのだ。


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