大地の再生講座@福島県三春福聚寺(6)/配管と石積み・後編


三春、3日目。浄化槽周りの石積み完成。初日、石積み造園チームの親方が私の著書を持っていることが判明。昨日その『山で暮らす〜』を持参されたのでサインすることに。「石積み解説もよく書けていて感心した」と言ってくれた。面白い出会いであった。

私もプロの石積みを間近で見られるよい機会であった。今回「平積み」ということもあるが、頻繁に石を欠いて形を整形しているのが印象的であった。自然石の平積みはどうしてもすき間ができる。そこに見合う石を探して面裏からはめ込んでいく。これもまた腕とセンスの見せ所である。

昨日割った枠を取り付ける。モルタル(砂とセメントとを水で練り混ぜたもの)を枕木の枠の天端に盛って・・・

その上に枠を載せ水準器で水平を見ながら押し付けていく。さらに板や手のひらで整形して完成。実に簡単にできるものだと感心してしまう。

上流部にも。枡は管理・掃除用の開口部、変化点につけられることが多い。下水管で言えばマンホールのようなものだ。

矢野さんは昨日置いた石のすき間にセメント粉を入れて・・・

次の石の基礎部を掘る。

正方形をしたきれいな大石。これを道路中央部に要石(かなめいし)のように置こうというわけである。

石の上に角材を置いて、その上から重機で転圧をかける。

ほぼ水平に、しかも隣の石と天端を合わせなければならない。この上を車が通るのだから。

座ったら炭と粗腐葉土をまいておく。

残りのアスファルトを剥がしにかかる。

植木屋さんが植栽木を運んできた。

重機で掘った後を手掘りする。

炭をまいて・・・

U字溝に開けた穴に配管する。

竹と枝葉。今回はヒノキの枝葉も使用。

コンクリート・アスファルトのガラを重ねていく。

その上にセメント粉、そして炭。

その上に竹枝をばらまき・・・

土をかける。

石を配置。今回、最も長さのある石だ。

重機で転圧。

後は同じ処理。これで石の据付は完成である。

石積みとこの並び石との間に植栽を入れる。アオダモのようだ。

根の周囲に炭と竹の葉。この木の根もやがて伸びて石と有機的に絡まるのも狙いなのであろう。

土で埋戻し。矢野さんは止水栓にかかる石に念のため木杭を打つ。

造園屋さんが「炭の代わりにパーライトでもいいのか?」との質問に、矢野さんは「鉱物質の多孔素材はどうしても詰まりやすい」と答えた。石積みを終えて造園チームも加勢してくれたわけだが、若手に「水と風に自分の作業をなぞらえる」と教えていたのが印象的であった。そうすることで置かれた石や炭に空気が動きやすくなる。

時刻は10:45、これから有機アスファルト舗装で仕上げる。

(続く)


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