大地の再生講座@福島県三春福聚寺(7)/有機アスファルト


すでにトラックでアスファルトが到着している。まずは石の下側をよく履いてアスファルト乳剤(プライムコート)をかける。これは上層路盤や石とアスファルトを密着させる接着剤となる。

そこに粗腐葉土をまく。

さらにその上にも乳剤。

置き石との段差を埋めるべく大きめのコンクリート・アスファルトのガラを石の下側に配置し、石の上側を整地する。

プレートコンパクターで転圧する。

乳剤をまく。

これは噴霧器だが、中は灯油が入っている。アスファルトは熱が冷めると硬化して道具類にこびりつくので、それを防ぐためのもの。

それを重機のバケットにもかける・

まず並び石の上側から。

レーキで均し・・・

転圧をかけていく。

スコップやレーキ類も灯油に浸けながら使う。

さらに振動ローラーで転圧を繰り返す。

その上になんと粗腐葉土をまく。さすがにこれには皆が驚いている。

もうアスファルトには見えない(笑)。

下側。並び石の保護にブルーシートをかけ・・・

アスファルトを落としていく。

均す。さらに下側にはまた粗腐葉土。

そして乳剤。

驚きの有機アスファルトだ。

最後のアスファルトをまく。

重機を使って、バケットを扇状に振りながら広げ、均していく。

レーキで均した後を転圧。

既存の道路とのキワにまた粗腐葉土。水をかける。

セメント粉もまく。

さらに山砂をまいて転圧。

水をかけながら振動ローラーをかける。

擦り付けは有機モルタルで補強し、一体化させるというわけか・・・。水をまくのでこれでセメント粉も硬化する。

さらに粗腐葉土をまき、ブルーシートを取って完成。

下から見る。

真横から。

この有機物混合舗装に目を白黒させている皆に、矢野さんは「有機物は凄いもの、水も油もなじませる」と言った。横断配管されたコルゲート管と並び石の基礎にも、多量の炭や枝葉などの有機物が装填されたのは見てきた通りである。

鉱物と植物の融合。これが近未来の、新しい、真の土木工法になっていく・・・そんな予感を覚えながら作業の一部始終を見ていた。

時間は13:30。矢野さんは着替える時間もなく、待機していたタクシーに乗り込んで、さらに北の次の現場へ急ぐ。石積み造園チームは残りの石の配置を植栽を託される。完成が楽しみである。

そして、この隠された機能が今後どのような美しさとドラマを展開するのか、それを見届けに、再訪したいと思う。

(福島三春編、了)


「大地の再生講座@福島県三春福聚寺(7)/有機アスファルト」への3件のフィードバック

  1. まさに現場に行っているような感覚になるリアルなレポート、その文章力と写真に感動です。感謝です。今後もレポート楽しみです。

    1. 竹内さんのおっしゃる通り、そこにいたかのように勉強になります
      屋久島の一部をみただけのものですが、全国各地のいろいろな矢野さんの取組み、自分も是非見たいですが、矢野さんを知らない大勢の方の目に触れることにも期待しています
      大内師匠大仕事頑張ってくださいね

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