第2回・屋久島講座4-1/草刈りの奥深さ


屋久島講座4日目。アペルイ敷地で草刈りと水脈整備。草刈りも含めて前回のメンテナンスをする。朝から快晴である。そしてなんと、この庭にもツマベニチョウが飛んでいる!「ツマベニチョウですか? 普通にいますよ」と田中さんにあっさり言われる。

植物と対峙するとき、目の前のものを凝視、一歩下がって俯瞰、これを両立する。テクニックの前に、そんな心構えのレクチャーを受け、班に分かれて開始。

作業を始めてしばらくして矢野さんからストップがかかる。作業が個々のものになってしまっている。結いのエネルギーになっていない、とのことだった。刈り払い機を持つ人が先頭で荒仕上げし、そのあとに手ガマで中仕上げ、仕上げ・・・と持って行くような、台風が通り過ぎていくような、作業に気が一体となったエネルギーが見えていない、と。

しかし、ここは屋久島である。昨日一昨日と感動も大きく、4日目で皆に気の緩みも出てきたのだろう。しかし矢野さんはそんなわずかな弛緩も見逃さない。

再び作業に入る。私は矢野さんに付いて敷地を周遊し、教えを受ける。

このヤマモモもかなり樹勢が回復してきているという。

灌木や並木の下部の「目通し」。風の通り道として重要な隙間。もちろん開け過ぎてはいけない。

人の通り道や畑の畝溝の風通しは非常に大事。畝溝は途切れないように空気の流れを考えて作り、風が通りやすいように低く刈る。ナイロンコードのエンジンカッターはこの畝溝を刈るのに便利だが、ナイロンコード2本のうち1本を下に向けるとさらに刈りやすいという。

エンジンカッターは改良の余地がまだまだある。お年寄りでも使いやすい小型のものがあっていい、と矢野さん。

以前の癖が抜けない田中さんの刈り方を見て、矢野さんから指導が入る。

・エンンジンを回しすぎる
・今の半分のエネルギーで刈れる
・そうすれば残したい植物を見る余裕が生まれる

コードの付いた円盤の角度も重要で、地面と平行ではなくて、前方をやや上向きにして使う。それをウェイブさせながら草を舐めるように動かしていく。

遠くから見る「目通し」。矢印位置にすき間が点在している。

この木のこの枝が風の通りを邪魔している・・・と矢野さんが曲がりノコで小枝を切る。

ビフォー。写真では分かりにくいが、確かに風が通る感じはする。そんな微妙なところまで見ているのかと驚く。

開墾で出たクズの根っこを見つけて矢野さんは畑に埋め込んでいる。根からクズ粉が取れるのだから、なんでも商品にしてみるといい、と。

風の剪定のレクチャー。意外に大胆に曲げノコを叩いて葉を落としていく。剪定は切ることが目的ではない。風通しを見ること。木が呼吸しやすい風通しを作る。その場所に合った風ができるように、風通しのバランスを保つための位置で切る。曲げノコは風のように切るのに便利で、剪定バサミではできない「引き切る」「削ぐ」というやり方で中の詰まりを開けることができる。

ツル植物(ここではクズ)は、地際から切るとまた勢いを増して成長し、ますます手に負えなくなる。胸あたりの高い位置で切る。すると次に伸び出すツルは柔らかく優しい。ツルは穴の空いた部分を覆うことで樹形を代行してくれるのだから、根絶やしにせず共存していい(やがて縮んでくる)。

 

たとえな林業家などはツルを目の敵のように排除しようとするが、ツルもそこに生えるだけの意味があるのだ。また多様性ということも考慮したい。たとえばクズに依存するチョウもいる(幼虫の食草がクズ)。と考えていたら、そのウラギンシジミが樹上を飛び回っていた。

(続く)


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