講座を終えて滞在6日目、屋久島で長く創作活動をした詩人、山尾三省の書斎を訪れた。講座2日目の一湊の回のとき、地元の話題を提供してくださった兵頭さんという方が山尾三省記念会の代表だそうで、直々に案内してくださったのだ。
一湊の集落から少し山に入った沢沿いに山尾家の住まいはある。道をはさんで沢側の小屋が書斎。三省はこの流れが大好きだったようで「この川のおかげでもう引っ越しを考えることはない」というようなことをエッセイに書いている。
囲炉裏があった。炭ではなく薪を使った炎の囲炉裏だ。谷筋だから家の中が湿気る。このような場所では、囲炉裏は夏でも焚いたほうがよいのである。兵頭さんと三省は誕生日が1日ちがいで、誕生日には薄くわった焼酎を飲みながら、この囲炉裏を囲んで朝まで語り明かしたそうだ。
三省が祀られた仏前にて合掌。エッセイに出てきた仏像はこれかな?
書棚には様々な本が。ジョン・ケージ『小鳥たちのために』。
『Outdoor』のバックナンバーから、僕がモデルになって旅したグラビアページを開いて兵頭さんにお見せした。三省はこのとき『ここで暮らす楽しみ』というエッセイを同誌に連載していたのだ。
本棚に『囲炉裏と薪火暮らしの本』を見つける。三省の死後のことだが、冒頭に「火を焚きなさい」という詩を引用させていただいたので、奥様あてに編集部から贈られたものだろう。下にはヨガナンダ、上にはラジニーシ と共に(笑)。
帰り道、三省が好きだったという大岩。
「一湊珈琲」に立ち寄る。
2日目に雨の中作業した山と川音を聴きながらテラスでカフェラテ。美味しいコーヒーだった。
帰路、島の南にある青少年旅行村キャンプ場に向かうが、永田の外れに豆腐屋さんの看板を見つけて道を進んでみる。
店じまいが近づいた時間帯だったせいか、おばちゃんがいろいろサービスしてくれる。豆乳もいただいた。
おばちゃんの強い押しで「横河(よっご)渓谷」へ。屋久島最大級の渓谷といわれる。その中でもここは最大級の淵ではないだろうか。
TG-5で水中撮影。魚影はなかったが・・・。
再び西部林道を通る。
南西部の海岸。
屋久島青少年旅行村のキャンプ場にテントを張って、いざ温泉へ!
平内海中温泉。普段は海の中に沈んでいて干潮時の前後2時間だけ入浴することができる。もちろん潮見表で調べておいた。ネット時代がありがたい。
温泉の泉質はアルカリ性単純温泉、湧出部の源泉温度は46度。入浴料は大人¥100で、入り口にある料金箱に入れる。
今日はグレ(メジナ)を貰ったのでそれを炭火で焼いた。炭といっても横河渓谷の道で拾ってきたスギの枝の熾炭である。
頭と骨付の半身はタマネギとともにあら汁に。
国営のキャンプ場だというのに直火の焚き火がOK。屋久島、すばらしい! 今日が島での最終泊となる。10年前、yuiさんと来て初めてキャンプしたのもここだった。