天然酵母+国産小麦のパン作り


昨夜、天然酵母パンの仕込みをしてきた。いつものK邸別宅パン工場である。さて、「さぬきの夢2009」をいかに美味しく使うか? というテーマを掲げて始まったパン作りだが、今回私たちのバージョンはいよいよ国産小麦100パーセントで行こう・・・ということになった。

買い物を担当してくれたN先生が選んできたのは、「春よ恋」と「ゆめちから」である。「春よ恋」は国産小麦愛好家なら誰でも知る北海道の有名ブランド。「ゆめちから」は国産では珍しい超強力小麦である。強力小麦の多くは春に種をまいてお盆の頃に収穫するのだが、小麦は湿度に弱いため蒸し暑い夏がある日本に適さない。「ゆめちから」は秋に種をまいて蒸し暑くなる前の7月に収穫する小麦品種なのだ。

この2種のブレンド小麦に「さぬきの夢2009」を混ぜる。今回は重量比にして25%入れてみる。

そして、N先生が雑誌で見つけたという中力粉だけで作れるやり方もチャレンジすることになった。

さて翌朝。K邸前のコトデンの土手は、サクラが満開であった。

ホイロ(保温装置)から取り出したパン種はいい感じで膨らんでいた。

が、「中力粉だけで作れるやり方」の仕込みはちょっとヘタレているのもあり・・

「国産小麦さぬき夢パン」を計量して2次発酵させる。このとき、食パンの型に6個並べるので6の倍数個に分割しておかねばならない。今回はクルミを入れてあるこのともあり、ひとつ240gとやや重め。

「中力粉だけで作れるやり方」のほうはパン種をビニール袋に密閉して野菜室で12時間寝かせるというもの。時間が足りないのでクーラーに保冷剤を入れ、現地で保管。左2つはぱんぱんに膨らんできたが、右のはダレたままだ。

まあとにかく作ってみる。

濡れ布巾をかけて10分、その後2次発酵にかける。45分くらいで1.5倍くらいに膨らんだ。が、ちょっと背が低い。過発酵だったのかもしれない。

「国産小麦さぬき夢パン」のほうは2次発酵も順調で焼き上がりもばっちり。

しかし、外すとき型から抜けないのがどうしても出てくる。型への油の塗り方がまだ課題として残る。

「中力粉だけで作れるやり方」のほうもなんとか形になった。味はやや落ちるが、練習次第で面白いものが作れそうである。今回は丸型のプレーンと、棒状のラムレーズン入りの2種を作ったが、バンズになるほどの大きさと膨らみにならなかったのが残念。

しかし自家製パンの世界にも革命が起きているようである。白崎茶会のパン教室は予約がとれないほどの盛況だそうだ。先日は、村上龍の『カンブリア宮殿』で生活クラブ生協がフィーチャーされていたが、それだけ現代日本の市販食品の怪しさや危険さが、一般市民にまで知識として広まってきているのであろう。

さて、私の自宅には小麦粉を挽くことができる小さな石臼と専用の篩(ふるい)がある。小麦胚芽はきわめて酸化しやすいので、全粒粉のパンは市販のもので美味しいものに出会ったためしがない。しかし、仕込みの直前に石臼挽きすればよいのである。

群馬の山暮らしでは自作の小麦を石臼で挽いたものに、群馬の地粉を混ぜてよくチャパティを作って食べていた。これが、すごく美味しかった。エゴマの種を混ぜ込むとさらにすばらしいのである。

今後はこのような展開もできるわけで、自家製パン作りの世界は無限に広がる可能性を持っている。

エゴマ入りチャパティ


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