8時のフェリーで男木島へ。
港のすぐ北側にある磯へ案内してもらった。
干潮だった。岩に貝がついている。
これがアオサ海苔である。少し採取した。
そしてワカメ。
岩についているのは天然の牡蠣だった。石で叩いて殻を剥がし、海水で洗って食べた。濃厚・・・。ヨメサラもたくさんあるので、数個採取。
崖の岩は風化しやすい花崗岩で、触るとポロポロと崩れて砂になっていく、その砂土にカラスノエンドウやカワラヨモギが、やわらかな葉を繁らせている。
これはハマダイコン。
その後、廃屋を見てまわる。
しかし、つくづくもったいないなぁと思うのだ
この松梁や土壁。竹の木舞に石垣。もう日本でこれを作るのはほとんど不可能だ。
こんなすばらしい景観にある、自然素材の魅力的な家が、手入れもされず放置されるなんて・・・。これを切り刻んでミンチ粉砕するなんて、私には到底考えられない。
ドリマの上で、アオサの入ったお好み焼きを、薪ストーブの上で作る。
上質な菜種油、国産小麦、そのほか原木椎茸や自然薯も入っている。まマズイわけがない! いや、めちゃ美味い!!!
ワカメもしゃぶしゃぶで食べた。
味噌汁でも椎茸とワカメをいただいた。
雨が降り出した。新著の追い込みでくたびれた身体、ようやくゴールしてほっとした時間だった。薪ストーブの暖が心地よく、ごろんと横にならせてもらった。木の家はいいなぁ。
ここに来る若いお客さんは「おばあちゃんの家に来たみたい・・」と言って喜ぶそうだが、その若い人たちは実際におばあちゃんの家を経験しているわけではないのだ。でも良さはわかるのだろう。
こんな家々を、丁寧に残していかねばならないのに、新建材の家がどんどん建てられている日本。満腹と、薪と木の温もりに満たされながら、雨音を聴きながら、瀬戸内の未来に思いをはせる。
採取したアオサの他にワカメをどっさり貰って5時の船で帰還。今日はスタッフたちと会食なのだ。ワカメのしゃぶしゃぶでスタートして、いっしょにヨメサラも茹でたのだが、大人味にちょっと引いたか? でもイノちゃんのカツカレーは予想通り大好評だった。
これでN先生のご苦労も報われるというものだ。客が帰って一人になって、残りのサフランライスとカレーをウィスキーの肴に・・・。
今日は誕生日だったのだ。みなさんありがとう。