ウナギを自分で裂いて蒲焼きをつくる。もちろん初めてであるが、この頃はYou Tubeサイトに動画がアップされていてそのコツが解るし、イメージトレーニングができるのでありがたい。まな板は下屋に置いてある木工材料の中からちょうど良いサイズと厚みのスギ板を見つけてきた。「目打ち」は100円ショップでアイスピックを購入。
竹串も作っておく。
ウナギやアナゴは頭を固定して、引き気味に一気に裂かないとうまくいかない。ウナギは生命力が強いので生きたままやると暴れて難しい。このウナギは昨夜から氷を抱かせてチルドルームに入れておいたので仮死状態になっている。ほんとうはぎりぎりまで水槽で生かしておいて、調理の直前に冷凍室に放り込んでおとなしくさせるといいらしい。
目打ちといっても本当に目に打つのではなくやや下に打つ。口にはまだ釣り針がついている。
小出刃はよく研いでおいたので切れ味抜群。案外簡単に開けた。首の付け根に切れ目を入れて内臓を取る。
骨外しがちょっと難しいのだが、これもうまくいった。ガス台の角がちょうどまな板のストッパーになってぐらつかないのが良かった。この後、背びれをとったのだが、ちょっと肉を付け過ぎてしまった。ところでウナギの血には毒があるそうなので、血が身に染みないようにマメに拭いた方がよい。
串に刺す。これが案外難しい。なんというか意外に身が緻密で刺さってくれない、串が動かないのだ。なんとかできた。
内臓は肝だけとっておく。頭と中骨、背びれはタレに使うので捨てない。
2匹目。
これもうまくいった。2匹目は背びれは取らずにおいた。
胃袋にヨシノボリが入っていた。
串に刺す。
肝はさっと茹でておく。
骨と頭を焼く。臭み取りである。
醤油、みりん、酒、砂糖で味付けしたタレを沸かして、焼いた骨と頭を入れてしばらくコトコト煮る。
肉が付き過ぎた背びれは食べてみることにした。コレが、うまあああああああ! あぶらがのっている、それが香ばしいこと!
中骨についた肉も勿体ないのでせせりながら食べる。頭にだって肉がついている。
もうほとんど新宿の「カブト※」状態で日本酒なのだ!(※しょん横にあるうなぎ串屋です)
付け合わせはエアルームトマト。
まず白焼きする。串は長過ぎたのでペンチでカットしてアルミホイルを巻いて燃え防止。
皮にちょっと焦げ目が付いたところで蒸し器に入れる。天然ウナギは皮が硬いと聞いていたので蒸しをかけてみたのだ。時間は15分くらい。あまり長くすると味も抜けるらしい。
蒸し上がったらタレをつけてさらに焼く。白焼きだけも食べてみたいので蒲焼きは4串にした。
タレはなかなかいい感じにできた。やはり白米が合うと思うのでそれにたれをぬって蒲焼きをのせる。
肝吸いは鰹だしでワカメをちょいと入れ。
ちょっと硬いけど味はいい。しかしこれ、炭で焼いたらどれほど旨いんだろう? また機会があったらぜひ炭火でやってみたいな。
蒲焼きは途中で山椒をかけ・・・。
しかし、自然は大事にすればこんな凄いものを恵んでくれるんだ・・・。私は昔から、海と川を行き来する魚介をとても大切な物だと思っていて、初期の鋸谷さんとの共著である『図解これならできる山づくり』にもそのイメージを描いた(↓裏表紙にはそのイラストを彩色して使った)。
川は人間だけのものではないのにずたずたに引き裂いて利用しまくり、一部では有害物質を流すドブにしている。しかも源流部の山には皆が背を向けたままだ(あるいは人の都合だけ考えて利用している)。手入れ不足で崩壊した谷は、やがて堰堤だらけになって魚たちの遡上を阻む。ウナギが源流まで上れる川を、ウナギが棲みやすい川を、1本でも多く取り戻したいものだ。
デザートは八十場のところてんにした。