自然農法の玄米、今日は3分づきで精米してみる。
ビフォー。
アフター。うん、昨日の5分づきより明らかに黄色が残る。精米時間は45秒くらいだった。
洗ってザルにとっておく。強く研ぐと胚芽が取れやすいようだ。注意しよう。
タイマー20分でザルの中の米の上下を返してまた20分。均等に水を吸わせるためだ。つまり合計で40分間、米粒まわりに残っている水をザルの中で吸わせるのだ。水に浸し放しにしないでザルを使うのは理由がある。水中に長く浸けると発酵が始まって米の味が変わってしまうからだ。もし40分後にすぐ炊かないときは、ザルから上げてビニール袋に入れ、冷蔵庫にしまっておく。
白米より水の量をやや多くして、他は同じように炊いてみた。土鍋の「かまどさん」で強火12分、火を止めてそのまま蒸らし20分で完成だ。
うん、これがやはり美味い! 米の甘みはすばらしく、香り高く、ナッツのようなコク。しかし、玄米ほどぼそぼそ感がなく、食べやすい。
玄米や3分づき米が難しいのは「良い米」でないと美味しくないことだ。Gomyoの玄米にはクズ米や青い未熟な米やモミが付いた米が混ざっているので、3分づきだとそれらが残ってしまう。白米まで精白することで、クズや未熟なものはヌカといっしょに粉砕されて外に出るので美味しくいただけた。これは春のうちに食べきってしまった。
次に手に入れた玄米はネットで購入した北海道米だった。これは農薬・化学肥料を使った普通のお米だ。それではやはり分づき米にすると美味しくないのである。ヌカの部分に農薬が残留するということもあるのだろう。だからこれは主に胚芽米モードで食べた。
結局、3分づきにするには無農薬・無化学肥料の良いお米を探すしかない、ということだ。あとは小型精米機も必須だろう。3分づき米には玄米の半分の食物繊維が残っているし、ビタミンやミネラルの損失も1〜3割ですむ。それが圧力鍋など要らず、白米同様の方法で炊けるのだからありがたい。
病気を防ぐ力を持ったファイトケミカルは果皮と胚芽に集中していますから、その損失はほとんどありません。インドール類、フラボノイド、イソチシアネート類、植物ホルモンなどの重要な成分が、玄米同様に含まれています。
白米は、これらのファイトケミカルがゼロで、ビタミンと必須ミネラルは7割から8割失われています。
玄米と3分づき米に含まれている必須ミネラルのクロムは、インスリンと結合する形の生物学的活性をを持ったクロムですが、白米はその9割を損失していますので、白米を食べていて肥満や糖尿病を改善するのは非常に困難といっていいでしょう。
ファイトケミカルが果皮と胚芽に集中しているのは米だけでなく、他の穀類にも共通していますが、複数の研究が、精製していない穀類を食べている人は冠状動脈性の心臓病と糖尿病の発病率が低いことを明らかにしています。
3分づき米は精製していない穀類の仲間ですが、5分づき米はファイトケミカルの多くが失われていて、必須栄養素の損失も大きいので白米の仲間に入ります。
精製していない穀類を食べるようにしますと、食事が大きく変わります。食べていて栄養的な充実感の違いがはっきりわかりますから、誰しも充実させる方向に食事を変えていく気持ちになるからです。(丸元淑生『短命の食事 長命の食事』)
確かに、昨日の5分づき米は明らかに白米に近い姿だった。そうは分かっていても、3分づき米の常食に何度も挫折していたのは、良いお米の入手が難しかったのと、米の管理や精米の問題があったからである。今はネットで米を探すことができるし、精米の問題は小型精米機ができたことで解決した。
無農薬・無化学肥料の良いお米は少々高いが、その米を買ってあげることで志のある生産者を支援することができる。自分で田んぼをやってみるとよく解るが、農薬と化学肥料は周囲と下流の生き物をダメにしていく。だから3分づき米の常食に変えるということは、自分の健康のためだけではない。日本の自然を守ること、再生していくことにも大きく繋がるのだ。
今日から玄米の袋は冷蔵庫の野菜室で保存することにした。